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認知症について

DC博士のワン・ポイント

若年認知症の支援について

若年認知症の人と家族が必要な支援

 若年認知症は、高齢期の認知症と病名は同じですが、若年期(64歳以下)に発症することから、必要とする支援が大きく異なると言われています。しかし若年認知症に対する支援は十分と言えない状況です。そこで若年認知症の本人と家族に、「病気について感じていること」や、「支援して欲しいこと」についてインタビューをさせていただきました。実際の声を紹介します。

 Aさん、41歳女性、主婦です。38歳の時、「耳が聞こえにくい」と感じ、総合病院の耳鼻科を受診しました。しかし問題がないと言われそのまま生活していました。40歳の時、婦人科定期健診で「物忘れが気になる」と相談したところ、心療内科を紹介され、その後神経内科受診に至りました。そこでやっと「アルツハイマー病」と診断されました。Aさんは、「耳鼻科から直接神経内科を受診していたら、こんなに時間がかからなかったかもしれない」、「主婦は、外で働いている男性に比べて発見が遅れるのではないか」、「献立が思い出せないからカレンダーに何を作ったか必ず書いている」、「役場に行って介護保険のパンフレットをもらってきたけれど、私に合うサービスはないようだ」、「支援相談室が病院内にあることは知っているけど、予約手続きを忘れてしまって、まだ相談できていない」、「家事が効率よくできるような生活に密着した訓練をしたい」と話されました。

 Bさん、 55歳の男性で現在も会社員として働き続けています。数年前、それまで得意だったパソコンの使い方がわからなくなり、専門病院を受診しました。その受診予約に数ヶ月もかかり焦ったそうです。診断がつくまで不安で、気分も落ち込みました。アルツハイマー病と告げられた時、「何か使うことができる支援はないのか」、「これから病気がどうなっていくのかわからない」、「病気の進行を止めるのに何か良い方法はないのか」と、情報がないためにとても不安を感じました。上司が直接主治医に会い、配置転換がなされました。電話取り次ぎが困難で、「できるだけ仕事を続けたいが、あと数年かも」と不安を感じています。

 このように若年認知症は、診断されるまで回り道をすることが多く、病名が告げられた後も、情報が少ないため不安を感じています。Aさんのように、記憶障害のために手続きを忘れ、必要な相談ができていないという場合もあります。相談手続きができるように手助けしたり、家事がスムーズに行えるようにメモの活用法や家事の工夫などをアドバイスすることも必要です。またBさんが仕事を続けていくには、ご本人の能力を見極め、業務を工夫するというアドバイスが求められると考えます。また治療については、服薬だけでなく、病気の進行を遅らせることができるリハビリテーションにも強い要望がありました。

 こういった声から、早期発見、心理支援、福祉サービス利用や仕事を続けていくための相談支援、進行予防的リハビリテーションなどが必要と考えます。今後、若年認知症の理解を広めていくと共に、医療・福祉・保健が連携し、支援を充実させていくことが大切です。

 次回は、若年認知症と家族へのソーシャルワークの実例についてお話します。

認知症介護研究・研修大府センター
研究部 森 明子