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認知症について

DC博士のワン・ポイント

若年認知症の支援について

若年認知症を疑ったら

 さて、実際にはどのような場合に若年認知症を疑えるのでしょうか?若年認知症では、多くの人が現役で就労や家事をしており、軽い認知障害であっても支障が出るため、早期に診断されやすいと考えられます。しかし、それにもかかわらず、診断や治療が遅れてしまうことがあります。それは、不調があっても、認知症であると思いいたらないためです。

 認知症の症状としては高齢者の場合と同じで、「もの忘れ」や、「今までできたことができない」といったことで始まります。本人は「いつもの自分とは違う」とか、「どうも調子が悪い」と感じますが、認知症とは思わず、がまんしたり、放置したりします。実際の例としては、仕事上でパソコンが使えなくなった、電話の応対ができなくなった、主婦であれば、家事の手順がうまくいかないといった症状です。これらの症状が長引くと、心理的にも落ち込んできます。一人で思い悩んだり、家族も本人の様子に心配しながらも原因がわからず、対応に苦慮することになります。
 このようなことに気づいたら、どうしたらよいでしょう?職場であれば、上司や同僚、保健師、産業医などに相談します。保健センターや行政にも相談窓口があります。しかし、やはり、医療機関に行くのがよいでしょう。

 専門的な検査と診断を受けるためには、神経内科、精神科(心療内科、神経科など)を受診します。最近は「もの忘れ外来」として診療しているところもあります。しかし、まだ、若年認知症を正確に診断できる専門医の数が少ないのが現状です。これらの医療機関を受診するときには前もって、そのことを確認しておくほうがよいでしょう。

 外来では「問診」と言って、医者から最初に気づいた症状や今までの経過、他の疾患の有無、薬の服薬の有無、家族歴などを詳しく聞かれます。あらかじめ、メモなどに書いて整理しておくとよいでしょう。次に診察、検査という順で進みます。時には検査は予約制で、別の日に行われ、結果が出るとその説明や診断名とともに今後の方針が示されます。

 治療についても医師から説明がありますが、認知症は残念ながら、現時点では「病気を治す」あるいは「症状をよくする」ことは困難です。したがって、治療は本人や家族の生活やこれからの人生を支援していくためのものと考えたほうがよいでしょう。この意味で、医療、介護、福祉の連携は欠かせません。 若年認知症の人やその家族の支援には多くの職種の人の知恵と心が必要なのです。

 なお、この欄の文章は、三センター共同研究「若年認知症の社会的支援」の一環として作成した「若年認知症支援ハンドブック」の中の医療面について書いていただいた、山下真理子先生(宝塚リハビリテーション病院)の文章を参考にしました。

認知症介護研究・研修大府センター
研究部 部長 小長谷 陽子