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認知症について

DC博士のワン・ポイント

スクリーニングテストとは?

第六話:スクリーニングテストを正しく実施するために

 3つの代表的な認知症のスクリーニングテストを紹介しました。いずれのテストも、20分程度あれば高齢者の方に実施できる簡便なテストです。 しかし、 簡便であり短時間で施行できるものだから、実施することも容易であり、誰でも簡単にできるというものではありません。
 スクリーニングテストは、簡単であるからこそ、テストについての詳しい知識と経験が必要になります。それぞれのテストは、実施に際しての予備知識や基本的知識を記していません。 それは、いわゆる「素人」の人が使用することを想定しないからです。つまり、スクリーニングテストに関する基本的な知識を有した専門家(たとえば、心理士、医師、看護師や保健師など)が実施することを前提にしています。
 以下に、スクリーニングテストを用いる際のに必要な予備知識や基本的知識を示します。

1) 各スクリーニングテストの成り立ちを理解している。作成に際しての論文がありますので、その論文でテストについての基本的な理解をすること。

 つまり、テストのねらいや目的、各設問の意味づけなどを理解していることです。この基本的な理解なしにテストを実施すると、不適切な実施になる場合があります。

2) テスト実施者は、テストを受ける人との間に信頼関係を作り、それからテストを行うこと。

 したとえば、この信頼関係を作らずに、唐突にテストを実施し、高齢者から反発される場合があります。それは、テスト内容以前に、テストを実施する人の社会性の問題であり、対象となる高齢者に対する配慮、尊敬の態度が確立されていないことを意味しています。

3) 各設問の提示の仕方は、口調・音量・話しのスピードが適切であり、明確に提示されること。

 たとえば単語名の提示、数字の提示は、ゆっくりとはっきりと区切りをつけて、明瞭に提示します。 ダラダラとひとつながりで言ったり、早口で言ったりすると、質問の内容が聞き取れなかったり、単語や数字を覚える暇が無かったりということになります。その結果は点数の低さに反映されます。つまりテスターの態度で点数が変化するわけですから、テスト結果は信用できないものになります。

 現実には、心理検査に関する専門知識と経験を有する臨床心理士などの専門家が実施することが望まれます。また、上記の配慮がなされずに実施されたスクリーニングテストの結果は、不十分なものになりますので、信頼できる結果であるとはいえません。

元 認知症介護研究・研修東京センター
小野寺 敦志