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事例概要 事例27

タイトル:「ご飯を炊かなくては」と心配するAさんの夜間不眠について

Ⅰ.<事例の状況>

 Aさんは不眠気味であると思われる。生活のリズムを掴もうと2週間センター方式のD-4(24時間生活変化シート)をつけてみた。しかし、何らかのリズムは掴めず一日の中でも良い状態、悪い状態がバラバラなように思われる。19時頃、「寝床を用意しましたよ。」「有り難い。」「朝起こしに来ますね。」「頼んだよ。」と言いながら入眠するが、22時頃になると、「どーれよいしょ。」とカーテンを開けて起きてくる。休んでもらえるように添い寝などするが、「夜でしょう、知ってるよ。」とややいらだった口調が返ってくる。そのまま臥床するが眠らず。朝食後にホールでうとうととし始める。「横になりましょう。」と声をかけると、ぱっと目が覚めてしまうようで、臥床することはない。椅子に座ってそのまま居眠りをする。「ご飯を炊かなくては。」「あの子たちまだ食べてないでしょう。」という言葉がよく聞かれている。

Ⅱ.<この事例で課題と感じている点>

 いつも日中うとうとと居眠りをしている。夜間によく寝て、休んでもらえたらと思うが、なかなかリズムが掴めないでいる。不眠時は足元が不安定で、転倒のリスクが高くなるように思われそのことも心配である。

Ⅲ.<キーワード>

 不眠。 ご飯を炊く。 家族の世話をしたい。 転倒。

Ⅳ.<事例概要>

年  齢 90歳代半ば
性  別 女性
職  歴 専業主婦
家族構成 入居前は長男と孫と同居していた
認知機能 HDS-R2点
要介護状態区分 要介護3
認知症高齢者の日常生活自立度
既 往 歴 乳ガン(右胸手術) ボーエン病 卵巣の摘出手術
現   病 認知症
服 用 薬 セロクエル・マグミット
コミュニケーション能力 やや難聴のためもあってか、一方的に話をする傾向にある。
性格・気質 温厚で人付き合いもよい。 社交的。
A D L 杖歩行で足どりが不安定な時は付き添う。車椅子を使用することもある。
食事は自立。排泄は尿・便意がほぼあるが濡れていることもある。入浴・着脱は一部介助。
障害老人自立度 A1
生きがい・趣味 旅行 パチンコ 和・洋裁など
生 活 歴 農業を営んでいた。永く専業主婦として家庭を切り盛りしていた。子供は多数。
人間関係 たまに、施設の他の利用者の方を亡くなった夫と思いこみ、気遣いをすることあり。
本人の意向 家のこと(ご飯や学校など)が心配。
事例の発生場所 特別養護老人ホーム
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