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事例概要 事例36

タイトル:私の思いを分かって!状況がわからないことの不安

Ⅰ.<事例の状況>

 認知症を発症し、自宅から娘宅へ引越しをして、デイサービスを受けながら生活する。その後、当グループホームに入居。得意の家事作業をして生活するが、認知症が進行し、夜間の不眠、終日の焦燥感により「どうして、どうして」「早く、早く」等落ち着かなくなったり、強い口調で他者に攻撃したりするなどが目立ち、利用者間のトラブルも多くなってきた。不穏時は個別に散歩に出たり、買い物に車で出かけるなど気分転換が出来ることもあったが、徐々に集中できる時間が少なくなり、個別の対応でも気分が和らがないことが多い。1日おきくらいに家族の面会があり、一時は気分が落ち着くが、焦燥感や混乱のほうが強く、スタッフに対する訴えも多くなり、スタッフ自身がストレスを抱えてしまう状態が目立っている。

Ⅱ.<この事例で課題と感じている点>

 終日聞かれる焦燥感の訴え、徘徊によりグループホームの中でその行動が目立ち、他者とのトラブルがあり、スタッフがストレスを感じ、思いに添ったケアが出来ない。

Ⅲ.<キーワード>

 本人とスタッフのストレス

Ⅳ.<事例概要>

年  齢 90歳代前半
性  別 女性
職  歴 主婦業の傍ら自営業を営む夫を手伝ってきた。本人が70歳代後半の時に廃業。
家族構成 娘(複数)
認知機能 NMスケール重度
要介護状態区分 要介護5
認知症高齢者の日常生活自立度
既 往 歴 胆石、卵巣膿腫、白内障手術
現   病 認知症
服 用 薬 テトラミド 一日おきに夕食時
コミュニケーション能力 気分によっては呼び掛け、声掛けに返事、笑顔がある。不穏な時には一方的に訴えがあり、耳からの情報を理解することが困難。
性格・気質 穏やかではあるが、気に入らないことがあったり、本人では理解できないことがあると怒る。
A D L 食事は一部~半介助。歩行は膝の痛みをかばいながらであるが可能。
トイレ誘導を行い、時間を要するが排泄可能。(失禁ほとんどなし)
入浴は気分の良い時にゆっくり関われば家庭浴で入浴可。
障害老人自立度 A2
生きがい・趣味 家事全般
生 活 歴 戦前、戦中、戦後と長男の嫁として両親、小姑の世話、娘たちの教育に休むことなく動いてきた。
主婦業の傍ら自営業を営む夫を手伝ってきた。本人が70歳代後半の時に廃業。
婦人会長など地域の活性化のために尽くした。
趣味の遊び等せず主婦の鑑と呼ばれていた。
実生活に必要なことは何でも得意(洋裁含む)。
人間関係 娘夫婦(キーパーソン)の面会が頻繁にある。遠方に住む娘達の面会も時折あり、大切にされている。つじつまの合わない言動が多く、他利用者との会話はほぼ困難である。
本人の意向 穏やかな生活
事例の発生場所 グループホーム
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