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事例概要 事例35

タイトル:お風呂が新しくなり、あまり入りたくないのだが・・

Ⅰ.<事例の状況>

 昨年、施設の浴室改修工事があり、入浴形態が変わった。以前から入浴中は鼻までつかり髭を剃っていたが、心臓が悪く長湯はたびたび注意されていた。新しい浴槽になり、スタッフと一対一で入る個人浴槽になった。入浴の声掛けに、あまり良い返事はしていなかったが、最初の頃は入浴をしていた。最近は返事をしても足早に立ち去り、入浴・洗髪をしていない。

Ⅱ.<この事例で課題と感じている点>

 Aさんは、このところ月1回程度の入浴なので、もう少し入浴・洗髪ができればよいが。

Ⅲ.<キーワード>

 入浴・洗髪をして欲しい

Ⅳ.<事例概要>

年  齢 70歳代後半
性  別 男性
職  歴 市内の建設現場で働いていた
家族構成 姉は近接県在住、弟は近接市在住しているが、音信はほとんど無い。
認知機能 測定していない
要介護状態区分 要介護1
認知症高齢者の日常生活自立度 Ⅱb
既 往 歴 脳梗塞後遺症(左上下肢不自由)心不全、心房細動、狭心症
現   病 心肥大、心房細動
服 用 薬 パナルジン(朝・夕)、ナーカリシン(朝)、酸化マグネシウム(朝・夕)
コミュニケーション能力 その場の会話は成り立つが、すぐに忘れてしまう。
性格・気質 穏やかな面と頑固な面がある。
A D L ほぼ自立しているが、衣類は声掛けしないと同じものを着ている。
パジャマ更衣等は、面倒がりしない。
障害老人自立度 A2
生きがい・趣味 テレビを見ることが好き
生 活 歴 20歳頃から、家を出て日雇い人夫をし、職場を転々とする。40歳代半ば頃から市内の建設会社に勤務する。60歳代後半に、脳梗塞を発症、左半身不自由となり就労不可。社長の好意により、住居を援助してもらい単身生活。心房細動、不整脈、狭心症等により入退院を繰り返す。生活保護受給。食生活は不安定、生活意欲低下により、たびたび発症を繰り返す。主治医からホーム入居を勧められ、本人も一人暮らし及び病状の不安からホーム入居を希望。
夜間はテレビを見て、昼に起床。食事はコンビニエンスストアで調達し、洗濯はコインランドリー、入浴は銭湯、といった生活をしていた。お茶は飲まないで水を水道の蛇口から飲んでいた。
60歳代後半に施設入居し、その後もたびたび、職場に遊びに行っていたが、一人で帰ることができなくなってきた頃から、職場には行かなくなった。
新しいことを認識できず、面会の姉の持ってきた衣類等、「自分の物でない。」と言ってくる。毎日、ベッド上でテレビを見て過ごしている。食事は、リハビリを兼ねて三食共2階食堂へ杖歩行で階段を使い行っている。下膳も片手で持って行っている。
行事・サークル等にはほとんど参加しない。
人間関係 キーパーソンの姉が年に1~2回面会に来るが、認識できなくなってきている。
施設では、自ら話し掛けることはないが、話し掛けると穏やかに対応している。
本人の意向 ありがたい暮らしだと思っている
事例の発生場所 特別養護老人ホーム
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