【運営】:認知症介護研究・研修センター(東京、大府、仙台)
  我が国の認知症介護に関する研究・研修の中核的機関として
  平成12年度に厚生労働省により設置されました

研修情報

認知症介護指導者の紹介/大府センター

中沢 みゆき (大府センター第4期生)
地域に根ざした施設を目指して

老人保健施設もえぎ

地域の特徴

 当市施設のある中野市は、長野県北部に位置し、周囲を山々に囲まれた自然豊かなところです。当施設は、長野県厚生連北信総合病院を設置主体とし、平成8 年8月8日に開設しました。利用者様が安心して生活できる環境を整備し、また、できるだけ在宅に戻り生活していただけるよう、リハビリにも力を入れていま す。
 介護保険施行以後、利用者様の権利意識が高まっている地域も多いかと思いますが、中野市近隣では、依然として利用できる施設サービスが不足して おり、「施設に入れただけでもよかった」とおっしゃる方が多く、また、逆に「年寄りは家族で看るもんだ」という考え方が根強くあるため、施設利用に抵抗を 感じている方もいらっしゃいます。

施設が取り組んでいる地域ケアについて
 当施設のサービス内容は、デイケア・ショートステイがあります。デイケアは定員26名で実施しています。
 中野市より委託された在宅介護支援センターも併設しています。最近では、独居生活されている認知症高齢者が増えてきています
 地域の方から「近所に住む年寄りは認知症ではないか、と思う。どう対応すればいいのか・・・?」等の意見が寄せられ、それに応えるため、不定期 ではありますが、在宅介護支援センター主催で認知症についての学習会を実施するようになりました。学習会とはいえ、知識を詰め込むのではなく、日ごろの介 護の悩みや愚痴を言い合っていただこうというのが目的です。

今後の課題と展望
 施設と在宅サービスの連携が上手くとれないのが目下の悩みです。施設自体の特色が薄いため、在宅ケアマネージャーの皆さんも「空いているからと りあえず」というような考えになってしまうのかも知れません。施設の理念を広く地域の方々に知っていただき、地域に開かれた存在にしていかなければなりま せん。
 当施設ではいまだに「認知症」というだけで、特別なもののように捉え、介護者自らが介護しにくい状況を作り出している場面が多く見られます。利 用者様と介護者が、「人と人」としてよりよい関係を築くことができるよう、学習を重ねていき、地域の皆さまに選ばれ、「家の近くにあってよかった」「施設 を利用することは悪くないんだ」と感じていただける施設を目指していきたいと思います。

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