【運営】:認知症介護研究・研修センター(東京、大府、仙台)
  我が国の認知症介護に関する研究・研修の中核的機関として
  平成12年度に厚生労働省により設置されました

研修情報

認知症介護指導者の紹介/大府センター

宇恵 和美 (大府センター第5期生)
サテライト型デイサービスを通して見えてきた地域ケア

特別養護老人ホーム ぬく森

地域の特徴

 当施設のある犬山市は、愛知県の最北端に位置し、日本最古の国宝犬山城がある古い城下町で、日本ライン下りや博物館明治村、リトルワールドなどもある観 光都市です。人口は7万3千人、高齢化率は16.9%で県下では高い方といえます。施設周辺は、 飛騨木曽川国定公園にも指定され、緑に恵まれた「里山」です。市の構想では、この一帯を「福祉村」として計画し、良好な自然環境を保持しながら施設整備を 進めており、「身体障害者授産所」、温泉付きの「市民健康館」、陶芸などが行える「さくら工房」が当施設 とともに立地しています。
 こうした様々な設備・機能を持った近隣施設の存在と、最近では学校教育の一環として、老人福祉施設の担う役割も増えたことから、徐々に地域の方々の関心や当施設へ期待する思いも強くなってきています。

施設が取り組んでいる地域ケアについて
 平成15年4月に地域の空き店舖を買い上げ、サテライト機能を持たせた単独型デイサービス(I型20名定員)を開設しました。と同時に、「在宅 福祉推進部」を設置、当施設の在宅介護支援センターの職員とともに、家庭訪問等を行い、地域ニーズの掘り 起こしを直接的に行いました。
 結果、開設して9ヶ月が立ちますが、一般の地域の方々や子どもたちの出入りや、ポランテイアの数も増えてきました。2F部分は無料開放をしてい ますので、時折地域の方の会合に使っていただいております。また、民生児重委員の方々との 連携により、福祉サービスの体験や認知症の介護方法など様々な内容を織り込んだ介護予防教室も6回目を数えています。他に本年は「在宅介護者の集い」を開 催するに至る等、私たち施設が目指す本当の意味での「地域に開かれた施設」の窓口として、町の中に開設したデイ サービスの存在は大きかったといえます。

今後の課題と展望
 当施設としては、今まで以上に地域の方々との信頼関係を築くべく、二ーズに答えること、またサービス対象者のみならず、子どもから一般成人まで が、老人福祉の知識を少しでも持っていただけるような活動を目指しています。具体的には、デイサービス の夜間延長対応や地域行事、学校行事への参加、定期的な連続性のある介護予防予防教室、認知症介護教室の開催など、将来的には、「通う、泊まる・住む、福 祉に対する学習機能」を併せ持った、サテライト型の小規模な拠点が、地域の中に存在することを目標にしたいと思っています。
 犬山市内の福祉サービスも増え、各々が独自で様々なタイプの地域ケア事業を行っていますが、横の連携は薄く、大変非効率に思います。医療・保健・福祉が一体となり、犬山市として地域ケア事業を進めていく必要性を強く感じています。

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