【運営】:認知症介護研究・研修センター(東京、大府、仙台)
  我が国の認知症介護に関する研究・研修の中核的機関として
  平成12年度に厚生労働省により設置されました

研修情報

認知症介護指導者の紹介/仙台センター

佐藤 延子 (仙台センター第3期生)
大笹生地域の大笹生小学校4年生と当事業所利用者との世代間交流

生愛会ナーシングケアセンター

地域の特徴

 私が平成13年度から国が実施している認知症介護指導者研修を、第3期生として仙台で受講してから丁度1年10ヶ月が過ぎました。受講後は県内で実施す る認知症介護実務者研修 の企画・実施、その専門課程の実習受け入れなど、また11月には認知症介護研究・研修仙台センター・矢吹知之先生のご指導のもと、当事業所の職場内研修を まとめて「日本ケア学会」に発表させて頂くなど、多忙な毎日を過ごしております。
 今回は本年実施した当事業所の行事の中から利用者と、この地域にある大笹生小学校4年生との世代間交流について紹介致します。当事業所は福島駅 から北西に約12㎞離れた大笹生の地に平成9年4月オープン致しました。現在介護老人保健施設100床、特別養護老人ホーム30床、グループホーム9床、 外来診療所をも 有する施設です。ここは林檎や桃などの果樹園に囲まれ、少し高台にあり福島市内を見下ろせる風光明媚な所です。又夜景もきれいで、若者のちょっとしたデイ トスポットになりつつあります。

施設が取り組んでいる地域ケアについて

ここにオープン当初から近くにある大笹生小学校の児童達が授業の一環として利用者と交流を持っております。今年は4年生が訪れております。少子化の影響で 1学年1クラスのみ、 人数は22名です。この児童の来所に先立ち、私が学校に出向き「生愛会ってどんなとこ?」という題でパネルを作って出前講義をしてきます。それは児童達に 生愛会や、認知症高齢者へのイメージを持ってもらう事と、生愛会を訪れる期待感を植え付けたいからです。
 世代間交流のねらいは、(1)身近な介護老人保健施設「生愛会」に ついて理解を深めてもらう。(2)アクティビティとして利用者は児童と交流を図り元気になっていただき、児童には思いやりの心や奉仕することに喜びを感じる心を育成することです。
 本年は6月と11月に2回交流を持ちました。時間は午後約2時間程度です。前半は児童の発表会で歌、音楽演奏、劇、昔話などを担任の先生の指導 の 下に、企画から発表、運営など全て児童達で行います。後半は利用者とのコミュニケーションで、おやつを食べながら交流を持ち、最後にお互い手作り品のプレ ゼントの交換をします。私達職員は、スムースにいくようにお膳立てをいたします。利用者は自分の孫と重ね合わせて感動するようです。児童達もやりがいを感 じ又来たいと いって帰ります。
 さて話は変わりますが、福島市では市内の全中学校の生徒に「地域に学ぶ体験活動」を実施しています。当事業所でも近くの信稜中学校の生徒さんを 毎年4~5名受け入れています。期間は5日間ですが、この生徒さんの中に毎年どこかで見覚えのある人がおりますので質問してみると「大笹生小学校の時に生 愛会に 来て楽しかったのでまた希望しました。将来は福祉関係の職業につきたい。」との答えがかえってきます。私はとても嬉しくなります。これからの高齢者に関わ る若者の底辺を増やす手助けになればと、忙しくても楽しみながら仕事をしている毎日です。

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