【運営】:認知症介護研究・研修センター(東京、大府、仙台)
  我が国の認知症介護に関する研究・研修の中核的機関として
  平成12年度に厚生労働省により設置されました

研修情報

認知症介護指導者の紹介/仙台センター

熊谷 浩美 (仙台センター第1期生)
大都市近郊のベットタウンでの地域ケアの取り組み

特別養護老人ホーム 愛泉荘

地域の特徴

我がホームがある仙台市泉区七北田は、中央の市街地、地下鉄泉中央駅を中心にベットタウンが四方に囲まれ、又少し足を延ばすと、農地、山林と緑豊かな大自 然にも恵まれた所です。この豊かな地の泉中央駅、泉区役所から西に向かい約2kmの所に泉ぬくもりの里という福祉エリアの地にあり、併設施設として、泉中 央 ディサービスセンター・泉中央在宅支援センター、隣接施設として、仙台市泉区社会福祉協議会・泉社会福祉センター・泉障害福祉センター・泉ボランティアセ ンター・泉ふれあいの家・泉ひまわりの家の通所授産施設・精神薄弱者更正施設「幸泉学園」があります。
 昭和59年4月に開設され、はや20年をむかえるホームです。この地に開設に関して、 地域からの大きな期待とニーズをうけ「福祉施設は地域のもの」と地域の財源となりうるもの、人づくりということで開かれた施設を目指して開設されました。
 現在ホームの周辺は、マンション住まいの核家族、山形、岩手、秋田、関東とほかの地から同居という形で住み慣れた土地を離れて引き取られてきた 高齢者、仙台市近郊のベットタウン として初めて売りに出され、今や高齢化率20%を越える所に住む一人暮らし高齢者、高齢者夫婦、昔からこの地に住み、農地を耕しながら暮らし、今やマン ション経営やビルのオーナーとなり時代の変遷に戸惑いを感じている高齢者が暮らす地でもあります。
 地域全体として三世代家族が同居している世帯は少ないのですが、地域全体を見渡すと 三世代が点在としている地域でもあり高齢者福祉、地域福祉に対する関心が高まっている地と言えるでしょう。

施設が取り組んでいる地域ケアについて
 サービス内容は、ディサービスB型、ショートスティ、在宅介護支援センターがあります。ディサービスは、認知症高齢者の複数回利用も多く、ホリ デーサービス、時間延長サービスも行っています。ショートスティは、旧型施設のため4床だったが、地域のニーズに対応すべく6床に増やし、今後も増所の検 討をしているところです。 在宅介護支援センターは、高齢者本人、家族と相談のうえで多くの福祉サービスの活用を図り、地域の中で安心して暮らせるように、日々地域の中を歩いていま す。
 これらのサービス以外に、地域住民との懇談会の場を設けて防災対策について話し合ったり、夏祭りを開催したり、介護者教室を社会福祉協議会の場 所や地域の区民会館を借用して 開催したりしています。他に、福祉教育の一貫として幼稚園、小、中、高校の子供達との慰問、交流の機会を持ち、世代間交流としています。福祉教育を担って いると感じています。

今後の課題と展望
 現在私は、特別養護老人ホームの介護主任として、日々利用者の方々と生活を共にしています。20年前の環境の中においてもユニットケア的ケアを 目指して、なじみの関係を築き、のんびり、ゆったり、豊かに暮らせるために、利用者主体に私達は何をしなければを問いながら、常に理念を確認しながら過ご しています。
 そして 今新しい試みとして、高齢化率20%を越える地にサテライトケアを考え実践しようとしています。地域で暮らす利用者の方々、施設で暮らす利用者の方々もも う一度在宅を体感できる場、そして地域で育つボランティアの育成をも目指して、少しずつ地域福祉を考え始めたところです。
 認知症高齢者をはじめ、多くの高齢者の方々が施設をついのすみか とする事なく、地域の中で世代間交流を持ちながら暮らせるようにしていくことが、今私達がやらなければならないことではないかと感じ始めたところです。

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