【運営】:認知症介護研究・研修センター(東京、大府、仙台)
  我が国の認知症介護に関する研究・研修の中核的機関として
  平成12年度に厚生労働省により設置されました

研修情報

認知症介護指導者の紹介/東京センター

古谷 博 (東京センター第1期生)
地域ケアの展望

社会福祉法人博慈会特別養護老人ホーム博慈園

地域の特徴

1)沿革・面積
 私たちの施設のある牛久市は、昭和41年に首都圏近郊整備地帯の指定を受け、首都圏の衛星都市として住宅建設が進み、人口も昭和60年には5万 人を超え、昭和61年には、市政施行に至っています。土浦市、つくば市とともに業務核都市に位置づけられ、平成10年には常磐線ひたち野うしく駅が開業し 北部 ニュータウンの「まちびらき」が行われました。又、業務核都市を環状に結ぶ首都圏中央連絡自動車道についても順調に整傭が進められ、市域北部を通過する路 線については、既に事業化されています。牛久市は、茨城県の南部、首都中央部から北東約50㎞で、東経140度09分、北緯35度58分に位置し、面積約 58,89k㎡で東西約15.5km南北約10,7km、 平均海抜は概ね20メートル前後です。牛久市の人口は、平成12年10月1日現在、73,258人(平成15年2月末現在、75,430人)の内65歳以 上の人口は、8,917人であり、高齢化率は、12.2%となっています。又、平成12年度の国勢調査結果によると、65歳以上の親族の居る一般世帯は、 6,233世帯で、総一般世帯の25,1%を占め、平成7年と比べると2,2ポイント 増加しております。65歳以上の一人暮らし老人については、平成14年4月1日現在659人で(男性186人、女性473人)で総人口のO.88%を占め ています。平成9年と比べると4年間で263人増加しております。

施設が取り組んでいる地域ケアについて
 社会福祉法人博慈会は、牛久市女化町に特別養護老人ホーム博慈園(定員50名)を平成4年3月に事業開始し、同時に、ショートステイ20床、デ イサービスセンター(定員15)、牛久市からの受託事業として、在宅介護支援センター、訪問入浴、訪問給食、ホームヘルパーの派遣事業を開始しました。平 成15年4月1日 現在の事業は、以下の12事業です。
1) 第1種社会福祉事業
特別養護老人ホーム博慈園 定員54床
2) 第2種社会福祉事業
老人デイサービス事業 定員23名
老人短期入所事業 定員16名
老人介護支援センター
老人居宅介護等事業
認知症対応型老人共同生活援助事業
身体障害者居宅介護等事業
知的障害者居宅介護等事業
児童居宅介護等事業
3) 公益事業
居宅介護支援事業
訪問入浴介護事業
福祉用具貸与事業

 居宅介護支援事業におけるケアマネージャーの作成するケアプランによるサービスの提供を担保するために、多くの事集を展開し、利用者の利便性、ケアプランの実効性の確保を図ってまいりました。
 多くの事業で決算上マイナスとなっておりますが、これは、当法人の社会福祉法人たる所以とし、 理事会において地域の老人等福祉の向上を願って決議し、展開しているものです。

今後の課題と展望
 地域における「見守りシステム」の構築と、「相談窓口」の一元化の必要性。福祉課題を地域に生活する生活者の「生活上の課題」と捉え、同一生活 共同体としての地域に生活する全ての住民(個人・法人・その他の組織)が連携し、 「生活課題を持つ個人」が地域から除外されず共に生活できることを目指す必要があると考えます。
 つまり、地域に生活する全ての個人・法人・その他の組織は、全て「見守り者」であり生活課題を持つ一生活者の「第一発見者」は地域の 共同生活者であり「誰でも良い」わけです。その「誰でも良い一人」が課題を持つ生活者の「課題」を身近な「相談窓口」に連絡すれば、その「相談窓口」が、 速やかに地域の全ての社会資源を総動員し、最善の解決方法を検討、解決のための計画を 作成し、適切な解決策実施機関等に連絡し、解決策を実施できます。もし、適切な実施機関が無ければ、新規の事業の立ち上げを関係機関に要請するのです。そ の意味では、同一生活共同体としての地域に生活する全ての住民は、見守り者であると同時 に生活課題解決のための杜会資源でもあるわけです。
 生活の課題をいち早く発見し、縦割り行政の縦割り施策的な地域の多様な社会資源を、多様な生活課題を有する個人と、どのように結びつけるのか?
 その「結び目」を、誰が、どのように 担うのか。「長屋のご隠居さん」のような存在は、生活課題を解決するために、地域に求められる事業を実施する事と共に、社会福祉法人の本来の有様ではないかと考えております。

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