【運営】:認知症介護研究・研修センター(東京、大府、仙台)
  我が国の認知症介護に関する研究・研修の中核的機関として
  平成12年度に厚生労働省により設置されました

研修情報

認知症介護指導者の紹介/東京センター

藤崎 陽子(東京センター第1期生)
介護サービスと医療サービスを総合的に提供できる多機能複合施設としての地域ケア実践

介護老人保健施設 青風苑

地域の特徴

 私の所属する施設は、北九州市と飯塚市の中間に位置し、筑豊地区の北側にあります。青春の門に出てくる炭鉱でにぎわいを見せた町でもありましたが、現在 は、静かな住宅地の多い場所となっています。施設の周辺には、30年程前に建てられた住宅地が多くあり住民も高齢化してきています。
 当施設は、 平成4年4月に開設されました。直方市には4つの介護老人保健施設がありますが、当施設が最初に開設した施設です。という訳で、設立当初より、直方市や地 域の老人会、民生委員の方と連携を取りながら、地域の方と共に老人保健施設の意味や、役割を共有しながら地域に根ざした施設として活動してきました。

施設が取り組んでいる地域ケアについて
 家庭復帰を目指している通過機能をもった施設であり、単なる入所機能のみならず、在宅機能としての短期入所療養介護、通所リハビリテーション、 訪問看護、訪問リハビリテーション、ホームヘルパー、通所介護、配食サービス、在宅介護支援センターと地域ケアの機能を多く持っており、 保健・医療・福祉の各機能を兼ね備えている施設です。その中でも、通所リハビリテーションは、併設する青見内科医院と介護老人保健施設 青風苑の2箇所に あり、重度の認知症の方、身体障害を持たれた重介護の方が、ニーズにあったケアが受けられるよう専門スタッフが、個別プログラムの充実に努力しています。 また入所施設が多い地域の中での施設ケアと在宅ケアの要として、通所機能を活用する事で要援護高齢者および家族のニーズに対応しています。
 他の事業としてホームヘルパー養成、全国老人保健施設協会実習指定施設、医学部学生の地域リハビリ実習などを受け入れています。これは、職員の 知識の向上を目標に、 潜在化しがちな在宅療養者および介護者のニーズに対応出来る介護体制の充実、人材育成と地域における介護の認識向上を目指しています。高齢者の心身および 社会的環境の状況などを十分把握しながら、各分野の専門家の講義と実践を取り入れた研修の場を設けることにより、職員の介護技術・認識の向上を図っていま す。

今後の課題と展望
・介護サービスと医療サービスを総合的に提供できる多機能施設として地域に貢献する。
・介護保険の理念である高齢者、障害者の「自立支援」「在宅重視」「利用者本位」を実践する。
・良質なサービスの提供により「要介護状態」にならない為の「介護予防」活動を実践する。
 この3つが、 当法人(医療法人健明会)の運営方針です。介護保険の理念である自立支援・在宅重視・利用者本位、このことは人が生きていくためには非常に重要なことで、 介護を受ける本人にとってはとても価値のあることだと考えています。特に、自分で意思を伝えることができない方、自分の意思を自分の思うとおりに伝えられ ない方には、 代弁者が必要です。私達、何らかの関わりで介護に携わる者が、特に認知症の方のニーズを上手にキャッチできるよう、施設内での研修や地域の中での研修など を進め、ケアの中に、そして生活の中に取り入れて行くことが大切だと考えています。このことをどのように行っていくかがこれからの課題だと考えています。

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