「事業紹介」

平成20年度 4月 個別訪問相談援助事業 実施状況

個別訪問相談援助事業は、認知症ケアに課題を抱える介護保険事業所からの援助の申し出に応じ、認知症介護指導者等を事業所に直接派遣し、認知症ケアの現場における課題を解決する為のヒントを提供することを目的としています。
平成20年度、2月~3月末に実施した11事業所からのアンケート結果を報告いたします。
11件の訪問事業所及び援助内容は下記の通りです。

1.訪問事業所内訳
訪問事業所種別 件数
1 訪問介護 0
2 訪問看護 0
3 通所介護(デイサービス) 1
4 通所リハビリテーション(デイケア) 0
5 短期入所生活介護(ショートステイ) 0
6 養護老人ホーム 0
7 有料老人ホーム 0
8 経費老人ホーム 0
9 介護老人福祉施設(特養) 6
10 介護老人保健施設 1
11 介護療養型医療施設 0
12 小規模多機能型居宅介護 0
13 認知症対応型共同生活介護(グループホーム) 1
14 地域密着型特定施設入居者生活介護 0
15 地域密着型介護老人福祉施設 0
16 居宅介護支援事業所 1
17 在宅介護支援センター・地域包括支援センター 1
18 宅老所 0
合計 11
2.援助内容内訳 (複数回答)
援助内容 件数
1 ケアの方法について 2
2 ケアの視点について 6
3 認知症の理解について 4
4 家族支援について 3
5 コミュニケーションについて 2
6 認知症のためのアセスメントの視点・方法について 3
7 具体的事例について 7
8 住環境について 1
合計 28
3.アンケート集計結果
1.個別訪問相談援助事業を申請した理由 1 開所して数年が経過し、認知症利用者へ統一したケアができていなかった。またケアを統一させる根拠となる知識もなく、認知症ケアの視点、問題行動の入居者のケア方法を学ぶため申請した。
2 認知症利用者が多数おり、対応に翻弄される場面があった。ケースによっては、悪環境を招いていることがあったので、もう一度苑全体で認知症を学ぶ必要があった。
3 多くのケアマネが在籍し、担当数も多く、認知症日常生活度がⅢ以上の利用者や、独居や随伴症状が認められる利用者に対し、今の対応でいいのか、アセスメント、計画等は正しいのか判断に迷うことも多い。
研修会にも積極的に参加しているが、疾患の理解等の内容が多く、実践に結びつきにくいと感じていたので、実践に役立つ指導を受けたいと思った。
4 認知症専門棟があるが、一般棟でも認知症の方が増えてきているので、全体で取り組まなくてはならない課題であると感じた。
5 介護職員が日々の業務の中で認知症のお年寄りに対するケアで悩んでいることが多かった。
6 認知症ケアの研修はあっても、個々の研修が多く、事業所全体での研修はできなかった。認知症ケアのレベルアップを事業所全体で図りたい。
7 介護職員の認知症に対する知識が低く、外部講師による勉強会を希望していた。
8 認知症利用者が増えており、また進行している利用者や家族に対してどのように対応したら良いのか、一般論ではなく、具体的に個別指導を受けたいと思った。
9 近年立ち上げを行ったグループホームネットワークの中で日頃の悩みや、情報交換等を共有してきた。今回の事業で援助を受け、更なるスキルアップを目指したかった。
10 雑言を吐き、入居者同士・職員ともトラブルの絶えない利用者の対応について指導していただきたかった。(職員も疲弊していた)
11 行動障害のある人は障害内容によっては、困難な事例が多く、介護職員が抱えている悩みやストレスが強い。少しでも解決できスキルアップにつながればと思った。
2.個別訪問相談援助を受けた感想
[1] 良かった
11件

[2] どちらともいえない
0件

[3] よくなかった
0件

(上記[1]の回答理由)
1 援助者に事例を提出し、事例1つひとつの自分達のケアについての考え方、視点を学ぶことができた。
2 現場の居室等の環境を見てもらい、居場所の環境の大切さを学べた。
3 認知症は、理論をもったケアが必要なこと、入居者個々にあった介護ができるように自分達に介護力が求められていることを知る事が出来た。
4 内容が幅広く、時間内では全体理解が難しいが、キーワードを伝えていただいただけでも良かった。
5 援助者が大変話しやすく穏やかで自分の体験を交えながら困っているケースについて一緒に考え、気付きを与えてくれた。
6 講師の話が体験を交えたものであり表現力があり分かりやすかった。
7 全体を対象にパワーポイント・ビデオ等を用いてわかりやすく講義していただけた。
又講義後の個別相談会もとても熱く語っていただけた。
8 講演とグループワークであったが、実例等の話をされ、解りやすくグループワークも援助者の指導のもと、一人の利用者に対し、これほど深く討論したことはなく良い経験になった。
9 大変わかりやすく多くの職員が興味をもって聞かせていただいた。
10 職員全員で同じ認識で受講できた。
11 利用者やご家族に対し、どのような心構えで対応したら良いのかをアドバイスいただけた。
12 相談内容に的確に返事やアドバイスがいただけた。
説明が丁寧であり、わかりやすかった。現場の具体的な話を交えてくださり、親近感が持てた。
13 アセスメントのテクニック・情報収集の方法等具体的にわかりやすく教えていただいた。援助者が帰った後、職員は宿題を確認しながら、「なんだか自分が変わったようである」と職員としての認識に変化が生じたような発言があった。
また介護している時の気分、表情、笑顔がそのまま利用者に伝わると援助者が何度も力説され、「笑顔は難しい」と正直な発言もあった。管理者としても反省や気づきが多くあり、また職員に対しても方向性を示していただき、勇気をもって頑張れる。
14 ケアの振り返り、気づき、考え方など参加者で共有することができた。こういう場を繰り返しもつことでストレスも解消でき、悩みも乗り越えられるのではないか、と感じた。
3.当事業について今後も機会があれば申請したいと思うか。
[1] 思う
11件

[2] 思わない
0件

(上記[1]の回答理由)
1 今回指導を受け、認知症介護の視点、考え方、環境の大切さの指導を受け、3-6ヶ月後に振り返りの機会に再度来所していただき、評価してもらえると職員のモチベーションも上がるのではと思う。事例での話し合いで、介護職員の姿勢が意欲的だった。
2 職員を講習会等に参加させたいと思うが外部研修となると職員を出せないので来てもらえるとありがたい。
3 具体的な方法や自分達が気付かない点を気付かせてもらえ、認知症の方へより良いケアを提供したい。
4 今回は基本であるケアの視点中心の話であったが、引き続き、認知症の方に対するケアを学びたい。
5 今回の訪問はとてもよかった。但し職員全員が出席できなかったので、少なくとも年2回程度は実施したい。
6 認知症について学ぶことは必要不可欠なものなので、これからも年1回は申請させていただきたい。
7 同じ講師で継続して学習できる場があれば非常にありがたい。
8 利用者の状態も日々変化しており、対応の方法も様々であると思う。対応する職員も入れ替わりがあるので、共通認識をする上でも、外部の方の指導は有効である。
9 センター方式についてもっと知りたい。援助者の話は具体的で例題も多く、理解しやすかったのでぜひ指導をお願いしたい。
管理者としても指導力不足を痛感し、指導していただきたい。
10 事業内で繰り返し勉強会を行うことが必要であるが、外部からの援助者が来ることは新鮮であり、必要であると感じる。
4.当事業に対して意見や要望 1 当事業で色々な事を知る事が出来た。この回数が増えるとありがたい。
2 認知症ケアの最先端として期待していた。今後も訪問援助を受けていきたい。各地域に拠点があり、継続的な講義が受けられるとよい。
3 初めてのことであったが、大変良い事業であるので、今後も継続を希望する。認知症の勉強会等の情報も発信してもらいたい。
4 本事業によって多くの施設が認知症ケアに対する考えが変わっていくことを期待している。
5 またこのような機会があったら是非お願いしたい。
6 本年の介護報酬の改正、介護サービス情報しかり、ケアサービスの質が評価される時代である。
しかし、経費等の問題もあり、今回のような援助が受けられ、本当に感謝の一言である。援助者のわかりやすい指導を日々の介護に生かし、今後のレベルアップに繋げたい。
7 東京センターは、認知症に対しての研修や研究を実施している機関であるので、我々介護者に携わる者にとっても相談やアドバイスをいただけたらと思う。
8 夕方という遅い時間にきていただきありがとうございました。職員が抱えている不安等に丁寧に対応していただいた。実際の利用者を見ていただき、指導いただける時間があれば、と思った。
今回、個別指導いただくことで、認知症について職員全員で利用者やご家族に接する心構えが持てたと思う。
9 とても良い事業である。
10 今回は初めてということで、会場設定や資料準備が不十分で援助中席をはずすことがあり、反省点である。
11 訪問後、参加者に感想を聞いたら、「ひとつの事例を深く検討し、指導してほしい」という意見があった。複数回訪問していただけるなら、そのうちの一度はそのような内容にしていただければと思う。

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