認知症ケア実践者が「困難」と感じる場面は、「行動への関わり」と言われます。しかし、「困難さ」とは、認知症の人の言動と認知症ケア実践者の心理との相対関係によるものです。そこで、まず介護者の内省による「気づき」を得ることがとても重要になります。今回、皆さんが多くの事例に触れ、それぞれが新たな気づきを得て、認知症の人の「行動」にしっかりと関わる自信と実力を身につけていただきたいと考えています。
この学習は、介護現場で「困難」と感じられる事例を通じて、認知症の人の言動などの事実とその要因との関係を振り返ることで、それらの意味を理解し新たなケアのヒントを得ることを目的としています。 そこで、認知症の人「Aさん」、認知症ケア実践者「介護者」、気づきを支援する「スーパバイザー」が登場し、介護者とスーパバイザーのやり取りを通じて、困難な原因を「ひもとく」プロセスから、様々なことを自由に考えてみましょう。 なお、実際の事例を基にしておりますが、個人情報の保護および倫理上の配慮をした上で取り上げています。
この事例検討のポイントは、「関わった結果」より「どう考えるか」その思考プロセス(ひもとき)にあります。そこで、その「ひもとき」をガイドする「事例ワークシート」(ワークシート)を次のようなステップで活用していただきます。