個別訪問相談援助事業は、認知症ケアに課題を抱える介護保険事業所からの援助の申し出に応じ、認知症介護指導者等(本事業では、「認知症ケア援助者」といっています。)を事業所に直接派遣し認知症ケアの現場における課題を解決する為のヒントを提供することを目的としています。
平成22年1月に実施した7事業所からのアンケート結果を報告いたします。
7件の訪問事業所及び援助内容は下記の通りです。
訪問事業所種別 | 件数 | |
---|---|---|
1 | 訪問介護 | 0 |
2 | 訪問看護 | 0 |
3 | 通所介護(デイサービス) | 1 |
4 | 通所リハビリテーション(デイケア) | 0 |
5 | 短期入所生活介護(ショートステイ) | 0 |
6 | 養護老人ホーム | 0 |
7 | 有料老人ホーム | 0 |
8 | 軽費老人ホーム | 0 |
9 | 介護老人保健施設(老健) | 0 |
10 | 介護老人福祉施設(特養) | 3 |
11 | 介護療養型医療施設 | 1 |
12 | 小規模多機能型居宅介護 | 1 |
13 | 認知症対応型共同生活介護(グループホーム) | 1 |
14 | 地域密着型特定施設入居者生活介護 | 0 |
15 | 地域密着型介護老人福祉施設 | 0 |
16 | 居宅介護支援事業所 | 0 |
17 | 在宅介護支援センター・地域包括支援センター | 0 |
18 | 宅老所 | 0 |
合計 | 7 |
援助内容 | 件数 | |
---|---|---|
1 | ケアの方法について | 5 |
2 | ケアの視点について | 5 |
3 | 認知症の理解について | 6 |
4 | 家族支援について | 4 |
5 | コミュニケーションについて | 0 |
6 | 認知症のためのアセスメントの視点・方法について | 2 |
7 | 具体的事例について | 4 |
8 | 住環境について | 0 |
9 | チームケアについて | 3 |
10 | ティーチング・コーチング | 1 |
合計 | 30 |
1.個別訪問相談援助事業の申請理由 | 1 | 当施設では残念ながら、今まで認知症ケアに関する専門的な勉強会が開催されていなかった。職員全体が認知症ケアの基本的理解のきっかけをつかむことを希望し、個別訪問相談援助事業を申請した。 | |
2 | 1日15名前後の利用者が、スタッフと外出や調理をしたり、歌を歌ったり等楽しい時間を送るなかで、利用者の個々の関係がギクシャクするようになっていった。こういった時、スタッフは、どのような立場で利用者の中に入っていけばよいか、迷いが生じたため申請した。 | ||
3 | 事業所を開設して数年経過、元気だった利用者にも認知症の症状が出はじめ、工夫して対応していたが、当事業を利用することでスタッフ一同一緒に勉強する良い機会が持てると思った。 | ||
4 | 日中寝ているわけでもないのに、夜間帯に活発になってしまう(衣服を脱いでしまう)利用者への対応について学びたかった。 | ||
5 | 認知症ケア研修は、介護保険外部評価の項目にもなっている。療養型である当院には多数の認知症患者が入院しているため、院内の職員研修として実施したく申請した。 | ||
6 | 良いアドバイスがもらえればと思い申請した。 | ||
7 | ケアの視点・ケアの方法についてアドバイスを得たかった。 | ||
2.個別訪問相談援助を受けた感想 |
[1] 良かった
7件
[2] どちらともいえない
0件
[3] よくなかった
0件
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||
(上記[1]の回答理由) <良かった> |
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1 | 認知症の基礎知識と基本的なケアの考えかたを映像等を踏まえた、非常に分かりやすい説明があり、終了後の職員アンケートにおいても好評だった。また、3時間という時間だったが参加率は約60%と高く、勉強会録画も援助者の許可をいただき、シフトの都合で不参加であった職員に再度伝達させることが可能となり感謝している。 | ||
2 | 利用者同士の関係において、スタッフがどのような方法でお互いの気持ちを伝えていくか、きめ細かい配慮も含めて、わかりやすく教えていただきとても感謝している。 | ||
3 | 理論的なことが、実際の利用者の行動と結びついたのでとてもよかった。 | ||
4 | 一人の人を深く掘り下げてみて、理解できることを確認しあえた。 | ||
5 | 後半のグループワークのやりとりは、興味深かった。 | ||
6 | 認知症について、病態から介助者の一般的な対応の仕方まで、基礎的なことを詳細に説明して頂き、今までの対応を改めて見直す機会が得られた。普段勉強する機会の少ない介護職員にとっては、認知症の段階に応じて対応が変わるという話など、非常に勉強になり、今後の業務に反映させていきたい。 | ||
7 | 細かくアドバイスを頂け良かった。 | ||
8 | ひもときシート利用により、物事を多面的に見る視点が学べた。 | ||
9 | 「認知症の心理行動の理解」の講義の内容・説明が解りやすかった。 | ||
10 | 事例に対して、適切なアドバイスがもらえた。 | ||
3.当事業について今後も機会があれば申請したいと思うか。 |
[1] 思う
7件
[2] 思わない
0件
|
||
(上記[1]の回答理由) <思う> |
|||
1 | 認知症介護実践者研修等は頻度が少なく、参加枠にも限りがある。また参加職員による伝達研修にも指導の限界を感じていた。職員全体にこのように援助していただく機会があると、効率よく周知することができるので再度申請したい。 | ||
2 | 職場スタッフが気持の良いケアができるように、何か迷いが生じた時、再度申請したい。 | ||
3 | 研修費を出して全員で勉強するには、小規模の施設では予算がないので、来て頂きありがたい。 | ||
4 | 次回の研修の時には、事例についてのグループワークをしてみたい。 | ||
5 | とても参考になった。この分野の講師を担える機関が少ないため当事業は有効である。 | ||
6 | 自分達のケアの振り返りをする機会となった。 | ||
7 | 困難事例の対応の検証ができた。 | ||
4.その他当事業に対して意見や要望 | 1 | 1回3時間の講義では時間的な制約があり、可能であれば数回実施していただきたい。例えば、認知症介護実践者研修に準じた内容(年4~6回、1回3時間、講義・演習・施設全体に課題設定、振り返りまで)の施設職員全体を対象としたモデル事例のような、または、高齢者虐待防止教育システムのような具体的なカリキュラム等があれば、さらに認知症ケアが推進できると考える。利用者主体の支援を定着させるべく当施設でも最大限努力したい。 | |
2 | 何かまた、ケアにおいて迷いが生じた時、相談にのっていただきたい。 | ||
3 | 介護保険の中で、このような事業をやって頂き、感謝している。 | ||
4 | 介護の世界は、まだまだ一般の人に理解されていない部分が多いので、このような積み重ねが大切で、学んだ私たちが知らせてゆく必要がある。 | ||
5 | 事例、検討等、具体的な研修もぜひお願いしたい。 | ||
6 | 対応に苦慮した事例等について、もっと聞きたかった。今回の派遣は1回目の申請でかなわず再申請による1年後の実現だったが、せめて半年以前の遅れであればより嬉しかった。 | ||
7 | 派遣時間は適切だと思ったが、16:00~18:00の時間に少々不満を持った。勤務時間終了が17:30なので勤務時間内にしていただければと思った。時間を決める際に、こちらも了解したのも悪かったのだが・・・。 | ||
8 | もっと多くの職員が参加できれば良かった。夜間開催でない為、残念に思った。 |