個別訪問相談援助事業は、認知症ケアに課題を抱える介護保険事業所からの援助の申し出に応じ、認知症介護指導者等を事業所に直接派遣し、認知症ケアの現場における課題を解決する為のヒントを提供することを目的としています。
平成21年度4月に実施した5事業所からのアンケート結果を報告いたします。
5件の訪問事業所及び援助内容は下記の通りです。
訪問事業所種別 | 件数 | |
---|---|---|
1 | 訪問介護 | 0 |
2 | 訪問看護 | 0 |
3 | 通所介護(デイサービス) | 0 |
4 | 通所リハビリテーション(デイケア) | 0 |
5 | 短期入所生活介護(ショートステイ) | 0 |
6 | 養護老人ホーム | 0 |
7 | 有料老人ホーム | 1 |
8 | 軽費老人ホーム | 0 |
9 | 介護老人福祉施設(特養) | 0 |
10 | 介護老人保健施設 | 2 |
11 | 介護療養型医療施設 | 0 |
12 | 小規模多機能型居宅介護 | 1 |
13 | 認知症対応型共同生活介護(グループホーム) | 1 |
14 | 地域密着型特定施設入居者生活介護 | 0 |
15 | 地域密着型介護老人福祉施設 | 0 |
16 | 居宅介護支援事業所 | 0 |
17 | 在宅介護支援センター・地域包括支援センター | 0 |
18 | 宅老所 | 0 |
合計 | 5 |
援助内容 | 件数 | |
---|---|---|
1 | ケアの方法について | 2 |
2 | ケアの視点について | 3 |
3 | 認知症の理解について | 3 |
4 | 家族支援について | 2 |
5 | コミュニケーションについて | 0 |
6 | 認知症のためのアセスメントの視点・方法について | 1 |
7 | 具体的事例について | 2 |
8 | 住環境について | 0 |
合計 | 13 |
1.個別訪問相談援助事業を申請した理由 | 1 | 入居者の重度化に伴い、認知症ケアの困難事例が増加。そのことでスタッフの認知症ケアに対するネガティブな発想が目立ち、転所することを希望してしまいがちになっていた。そこで、今後の施設の在り方と認知症への取り組みの見直しのため、申請を行った。 | |
2 | 日常の業務に追われ、個々のニーズに合わせた介護を行っているのか不安になることがある。指導を受け、相談することで、職員一同が同じ目標に向かって統一したケアを実行し、利用者に対して適切なケアを行いたいと考えていたので申請した。 | ||
3 | 以下の4点についての援助を受けたくて申請した。 ・帰宅願望またははっきりとした理由のない立ち上がり(徘徊)に対する援助。 ・家族側が認知症を理解できず(受け入れられない)口論になってしまう例。 ・職員によって援助に差が出てしまっているのでは…平常心で援助するコツ。 ・大声・暴言を訴え周囲の雰囲気を乱してしまう方への援助。 |
||
4 | 講義形式ではなく、対応に苦慮している事例について、個別に具体的に検討し、職員の問題解決能力を高めたいと考えた。 | ||
5 | 以下の点で対応に困っており申請した。 ・昨年10月入所のT氏はホーム内での動きが活発で、6ヶ月間にヒヤリハット報告6回連続発行。他人の個室の窓から外に出て帰宅をしようとする等、他の入居者も巻き込んで、対応に追われている。 ・ショートステイの利用者で、介護中の職員に対し殴る・蹴る・つねるなど入浴介助にも苦慮する事例がある。 ・医師の処方されるグラマリール(本人が腰痛を訴えているため出されている)鎮痛剤に対し、家族が投与を拒み、家族の希望する売薬の投与を主張されるケースがある。 |
||
2.個別訪問相談援助を受けた感想 |
[1] 良かった
5件
[2] どちらともいえない
0件
[3] よくなかった
0件
|
||
(上記[1]の回答理由) | |||
1 | 援助者の方が、現場に即した内容でわかりやすく話してくれたので、スタッフの心へ届きやすかった。今後の認知症ケアへの展開のきっかけになりそうだ。 これまで自分たちは、認知症ケアとして何を見て何をやってきたのだ、という振り返りができた。 |
||
2 | 一つひとつの疑問点について、分かりやすく適切な回答を得られ、ときとして肩の荷が下りたような気持ちになった。逆転の発想も大切なのだと感じた。 | ||
3 | グループワークを通して情報の共有化が図れた。 問題行動と決めつけていた所を掘り下げることにより、共感・受容する考えが生まれた。 |
||
4 | 入所前の情報が少なく、入所者の方の姿が見えない、情報が集まらない、と思っていたが、改めて情報の集め方がわかっていなかったのだと実感した。具体的な情報収集の方法を実際に体験でき、大変よかった。 参加したスタッフからも意識を変えたいとの声が聞かれたこともよかったと思う。 |
||
5 | 利用者・入居者各位がそれぞれの長い人生経験の積み重ねを経て、このグループホームで終焉を迎えられつつある。「生命を全うされることのお手伝いをする、というとても意義のある介護の仕事をやっている自分に誇りを持ちましょう。」「入居者一人ひとりの情報、介護計画を職員が共有してチームケアに当たりたい。チームケアが大切である。」という援助者の話がよかった。 | ||
3.当事業について今後も機会があれば申請したいと思うか。 |
[1] 思う
5件
[2] 思わない
0件
|
||
(上記[1]の回答理由) | |||
1 | できれば今回来ていただいた援助者に継続性のある指導を受けたい。 | ||
2 | 困難な事例に遭遇した時に適切な指導を得たい。 | ||
3 | 今回、受けることができなかった職員や退職等により入れ替わった職員にも受けてもらいたい。 | ||
4 | 職場に直接来ていただき、日頃から介護している方をモデルとしての相談会であったので、大変参考になった。 多くの職員が参加できたこともよかったし、援助者の方も実際直接介護現場に携わっているとのことで、自分たちと同じ目線で話ができたこともよかった。 | ||
5 | グループホーム・デイサービス・ショートステイ共に認知症の方々の利用が多い。人それぞれの行動変化があり、介護職員が戸惑う事例が多数ある。相談援助を通じて、アドバイスする援助者の方の良い体験も学べる。 | ||
4.当事業に対して意見や要望 | 1 | 今回の訪問は、援助者の方とどんな風に"3時間"を過ごすか?ということについて事前に打ち合わせができたのでとても良かった。援助者がきちんと現場を把握されている方だったので、ただ単純に講義を受けるのではなく、自分たちで考えながら援助者の指導を聞けたので、スタッフ一人ひとりの何らかの刺激になったと思う。できれば、また半年後もしくは1年後にもう一度訪問を行い、その後の施設の変化を指導の援助者の方が確認できるシステムがあると、この事業がより濃密で効果の高いものになるのではないだろうか。 | |
2 | 大変参考になった。ありがとうございました。 | ||
3 | 今後もぜひ継続していただきたいと思う。 | ||
4 | 今回は営業日でもあり、パートを含む全職員45名中 グループホーム 4名、デイサービス 2名、ショートステイ 5名、理事長・理事 4名 計15名が参加した。 それぞれの立場で共感したものがあった。ありがとうございました。 |