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平成21年度 5月 個別訪問相談援助事業 実施状況

個別訪問相談援助事業は、認知症ケアに課題を抱える介護保険事業所からの援助の申し出に応じ、認知症介護指導者等(本事業では、「認知症ケア援助者」といっています)を事業所に直接派遣し、認知症ケアの現場における課題を解決する為のヒントを提供することを目的としています。
平成21年6月に実施した19事業所からのアンケート結果 (19事業所中17事業所提出) を報告いたします。
19件の訪問事業所及び援助内容は下記の通りです。

1.訪問事業所内訳
訪問事業所種別 件数
1 訪問介護 0
2 訪問看護 1
3 通所介護(デイサービス) 3
4 通所リハビリテーション(デイケア) 0
5 短期入所生活介護(ショートステイ) 0
6 養護老人ホーム 0
7 有料老人ホーム 1
8 軽費老人ホーム 0
9 介護老人福祉施設(特養) 2
10 介護老人保健施設 3
11 介護療養型医療施設 3
12 小規模多機能型居宅介護 0
13 認知症対応型共同生活介護(グループホーム) 4
14 地域密着型特定施設入居者生活介護 0
15 地域密着型介護老人福祉施設 1
16 居宅介護支援事業所 0
17 在宅介護支援センター・地域包括支援センター 1
18 宅老所 0
合計 19
2.援助内容内訳 (複数回答)
援助内容 件数
1 ケアの方法について 5
2 ケアの視点について 7
3 認知症の理解について 14
4 家族支援について 3
5 コミュニケーションについて 7
6 認知症のためのアセスメントの視点・方法について 4
7 具体的事例について 7
8 住環境について 0
9 チームケアについて 3
10 ティーチング・コーチング 2
合計 52
3.アンケート集計結果
1.個別訪問相談援助事業を申請した理由 1 アルツハイマー、パーキンソン病の進行による認知症、統合失調症、高齢に伴う認知症の入所者が混在しているが、認知症についての専門的な知識をもった職員がいない為、症状や場面に応じて試行錯誤しながら対応をしている状況である。本当に現在のケアが適しているか、専門的立場からの助言、指導を受けることを目的に申請した。
2 認知症の利用者が増加してきており、色々な困難事例もこれまであった。認知症ケアに答えはないと思っていたが、何かヒントになるような事があればと考え申請した。
3 認知症に関する理解ができている者とできていない者とが混在しており、改めて、職員全員が受けられる研修を探していた。また職員が認知症の利用者に対して、どういう対応をすればいいのか常に問題意識を持ち、自己研鑽していけるきっかけとなればと思い申請した。
4 普段のケアの中で重度の認知症高齢者の対応に追われてしまい、課題も多い。定員も増えない現状にありケア方法やケアの視点、困難事例についても相談したかった。
5 提供する介護サービスの質を向上させるためには、職員教育が最重要課題であると考えているので、これからの課題である認知症に関する職員教育をお願いした。
6 ともすれば施設という狭い世界の中で、ひとりよがりの介護(観)に陥りやすく、特に認知症の方への介護は、相手の方からの訴えが捉えにくいだけになおさらである。そうした現状を打開したいと思い申請した。
7 申請時、重度の認知症の利用者の方がいたので、どのように対応すればよいのか疑問を持っていた事と外部による研修を実施したことがなかった為申請した。
8 認知症介護指導者がいる施設ではあるが、他の認知症介護指導者によって、ケアの見かたやケアの視点を伝えてほしいと思ったので申請した。
9 以下の3点の理由により申請した。
・院外研修の場合では、出席できる人数が限られてしまう。
・同じ研修を全職員が同時に受けられることで、統一した認識を持って介護できる。
・質問、疑問を出しやすい。その場での応答、アドバイスを全員共有できる。
10 施設内学習や、外部研修などで取り組んできたが、施設における認知症ケアについては、まだまだ足りないことが多い。適切な認知症ケアを施設全体で実践してくためには、外部の方に見て頂き、評価して頂くことが大切であると考え申請した。
11 利用者の暴言暴力行為の対応や、夜間の不眠不安の対応を様々試したが、改善できないでいたため申請した。
12 地域で数少ないグループホームであり、立地条件から、他のグループホームとの交流が少なく、情報も乏しいため申請した。
13 地域連携の考え方・工夫点が知りたいため申請した。
14 地域で認知症の方を支援していくなかで、具体的にどうしたらよいか困っていたため。
15 認知症ケアの研修会は地元で開催されることが少ないことと、個別援助のため、具体的に困っていることが質問しやすいと思ったので申請した。
16 現在若年性認知症の利用者が増加しており、ケアが困難で認知症ケアのスキルアップのために申請した。
17 認知症に対する知識を深め他職種と共に施設全体で考える方向性の基本を学ぶ為に申請した。。
2.個別訪問相談援助を受けた感想
[1] 良かった
16件

[2] どちらともいえない
1件

[3] よくなかった
0件

[4] 不明
2件

(上記[1]の回答理由)
1 自分では理解できていると思っていた事が、実際に認知症ケア高度化推進事業のワーキングチーム委員会で開発された思考展開シートを作成すると、チェック記入がきちんとできなかった。今までを振り返ると、しっかりとアセスメント課題分析ができていなかったのではないかと気づかされた。
2 新しい発見や考えに触れた事で翌日からのカルテ記入方法等に変化が生まれた。利用者と接する職員の雰囲気に違いが生まれてきた。
3 認知症の基本定義から実際の事例を交えながら援助いただき、大変分かりやすかった。継続的に職員研修として開催したいと思っている。医師も参加し、好評であった。
4 具体的な回答が多くわかりやすかった。
5 認知症ケア援助者には、自らの経験を踏まえて、認知症に関する(1)基礎知識(中核症状と周辺症状等)、(2)対処方法、(3)事例検討、(4)質疑応答等幅広く対応していただきとても感謝している。また、地元の方言を交えて話されたことが、とても印象に残っている。
6 実際の体験談を交えながら、福祉に携わる者の根本的な姿勢まで話していただき、職員にとってはいい刺激となり同時に価値ある仕事ということにも改めて気づかせていただき、やる気と責任感も強くなった。
7 職員が普段、管理者に日々言われている事でも、外部の人が話をする事でさらなる確認につながった。
8 職員の中には、まだ公の研修参加をしていない者もいたので、とても良い経験になったと思う。又受講させて下さい。
9 抱えていた課題が解決できた。
10 抱えていた課題解決が達成された。また、当たり前ではあるが、目的、ゴールを職員全員で設定、共有し、取り組んでいくことをベースに進めることが、立ち返れるためにも重要であることを学ぶことができた。多くの評価スケールがある中、ICFを用いて、ケアプランをつくることで、評価できることも納得ができた。
11 認知症の方の気持ちに視点を移して考えていくということを教えていただいた。
12 介護の専門性の再認識ができた。食をどう考えていくのか。記憶への働きかけ・・・食行動の障害への気付き。
13 地域をどう考えていくのか。看取りの考え方のポイントが理解出来た。
14 認知症についての基本知識や支援方法を再確認する機会となり、支援の姿勢もまず理解しようとする気持ちが大事であることを学ぶことができた。
15 対応に困っている症例をもとに援助方法を具体的に聞けたことが良かった。的確に説明をしていただいたので、理解しやすかった。
16 認知症ケアの講演とは違い、自施設のケアを基に相談ができた為より身近なスキルアップに繋がった。
17 職員は、改めて認知症の方に対する対応・施設としてどうしたらよいかなどをそれぞれが考える良い機会になったと感じている。同時に勉強になったとの意見が多数あった。
18 実際に行われているレクリエーションやリハビリを、写真として画像で見せていただいたので、ケア方法とその効果をより具体的に理解することができた。
19 認知症ケア援助者はわかりやすく、ユーモアをまじえ、実体験にそった援助内容で、自然とスタッフの疑問、質問も具体的になり、アドバイスがすぐ活かせるものになっていた。
(上記[2]の回答理由)
1 認知症については理解でき勉強になったが、本題のグループワークの時間が短く、具体的な対応までにはいかなかった。研修の前に今の現状を具体的に伝えてから、研修を行えば良かったと思う。
3.当事業について今後も機会があれば申請したいと思うか
[1] 思う
17件

[2] 思わない
0件

[3] 不明
2件

(上記[1]の回答理由)
1 初めての個別訪問相談援助事業への申込みであり、認知症ケア援助者も十分に内容を伝えづらかったと思うし施設職員も理解するまでには至らなかった部分もある。今後も機会があれば、再度申請し、もう少し勉強したいと思う。
2 派遣していただいた認知症ケア援助者の印象、援助内容が非常によかった。また、外部の人による施設内研修で新しい発見ができると考える。専門職による援助があると認知症についての理解が深まると共に日々のケアについて客観視する機会となる。
3 職員の教育は、繰り返し実施することにより、より高い効果が得られると考えているので、再度申し込みをしたいと考えている。
4 今回は20人ほどの職員が受講したが、出来れば職員全員に参加させたい。
5 今回のようなかたちで施設内研修を実施できれば外部の方の話を聞けて、勉強になると思った。
6 現場の職員、利用者の様子や雰囲気を見て援助をしていただけるので、外の会場で行うより良い。職員も参加しやすい。(フロアー担当者以外全員参加することができた。)
7 研修内容をベテランから新人まで、一緒に学ぶことで統一した介護の目標に向かうことができる。
事業所内で受けることができたので、介護に当たる人数を減らさず当日の業務内容をやりくりするだけで学ぶことができ効率が良い。
8 今回1回のみのものであったが、何回か期間をおいて、再度訪問することで、変化があったかどうかもお互いに共有できてよいのではないかと思う。できることなら、また同じ援助者に来て頂きたい。
9 認知症は奥深く、各回テーマをしぼって、複数回に渡り、援助を受けたいと思った。
10 認知症について、今後も学びを深めていきたい。
11 今後も認知症の方への訪問は増加していくと思うので具体的に対応方法等をきくことができれば参考になる。その時々の対応の仕方を教えてほしい。
12 今回は基礎的なところを中心にしたものでありこの機会で得たものを活用して行くに当たって重ねての個別訪問相談援助事業を受けより良い介護を提供できる施設となる為。
13 他施設での関わり方、色々な情報が共有出来る。
14 援助者と共に職員間でのケアの振り返りが出来る。
15 認知症高齢者の生活支援の考え方を再確認出来る。
16 今後も認知症ケアの技術向上を高める為是非申請したいと考えている。
4.当事業に対して意見や要望 1 今回各自が困っている事例を持参したが、グループ分けのとき、同じフロアー同士のメンバーでなく、違うフロアの人を混合した為、事例を選んでグループで話し合う時、事例に関わっていない人の意見が出にくかった。(グループ分けを事前に検討)
2 早めに研修の内容を把握していれば良かった。
4 認知症ケアと連動してケアプランに対しての職員の心構え、考え方なども含めて話をして欲しい。
5 訪問を一回のみではなく、定期的に実施ができるようになればいいと思う。施設に対する指摘事項等もあれば、見直すきっかけとなる。
6 今回は、内容の把握が出来ずに申し込んだが、次回は、具体例をあげての相談をしていきたいと思う。業務がいかにスムーズに行くのか・・・チームケアのとり方、育成方法など、現場ならではの悩みや、アドバイスをお願いしたい。
7 1回で終わるのはもったいないので、継続的にしてほしい。こういう機会を持つことで、意見交換の場にもなるし医療面のみならず、福祉、介護ではこういうやり方はどうかというヒントを得るのでとても参考になった。
8 時間の都合もあると思うが、事前に現場をみる機会があると援助者の方も援助しやすかったのではないか。
9 次回は他事業と共同で定期的(年単位)に事業に参加させて頂きたい。
10 当該事業には応募が多数あり、狭き門となっているような気がするので、広き門となるようご配慮いただきたい。
11 今後もお願いしたい。
12 このような機会があれば、ぜひ参加したい。
13 毎年1回は、このような事業を受けられるとありがたい。
14 施設における、認知症ケア実践評価みたいな具体的な内容での評価基準みたいなものを用いて、施設の認知症ケア実践度は、これくらいのレベルだと表現できれば、足りないことへの対応も明確にできるのではないかと思った。
15 事例等を使い、参加者が考え、意見を出していくような援助をお願いしたい。
16 他施設の、工夫して取り組んでいる点等が教えてもらえるとよい。
17 相談、助言してもらえる担当認知症ケア援助者との連絡が取れるようになるとよい。
18 無償で、こちらに出向いていただいて、学ばせて頂けることは、本当にありがたい。是非同じ認知症ケア援助者でお願いしたい。
19 今後社会的にも認知症に対する問題点や考え方は変化して行くと考える。今後も継続したフォローを受けていきたいと思う。またこのような機会が少ないのであれば、近隣で良い施設と思われる施設とのネットワークづくりでもお力添えをいただければ、施設を超えた社会での認知症介護の向上に繋がると考える。

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