個別訪問相談援助事業は、認知症ケアに課題を抱える介護保険事業所からの援助の申し出に応じ、認知症介護指導者等(本事業では、「認知症ケア援助者」といっています。)を事業所に直接派遣し認知症ケアの現場における課題を解決する為のヒントを提供することを目的としています。
平成21年8月に実施した7事業所からのアンケート結果を報告いたします。
7件の訪問事業所及び援助内容は下記の通りです。
訪問事業所種別 | 件数 | |
---|---|---|
1 | 訪問介護 | 0 |
2 | 訪問看護 | 0 |
3 | 通所介護(デイサービス) | 0 |
4 | 通所リハビリテーション(デイケア) | 0 |
5 | 短期入所生活介護(ショートステイ) | 0 |
6 | 養護老人ホーム | 0 |
7 | 有料老人ホーム | 1 |
8 | 軽費老人ホーム | 0 |
9 | 介護老人保健施設(老健) | 1 |
10 | 介護老人福祉施設(特養) | 2 |
11 | 介護療養型医療施設 | 0 |
12 | 小規模多機能型居宅介護 | 0 |
13 | 認知症対応型共同生活介護(グループホーム) | 2 |
14 | 地域密着型特定施設入居者生活介護 | 0 |
15 | 地域密着型介護老人福祉施設 | 0 |
16 | 居宅介護支援事業所 | 1 |
17 | 在宅介護支援センター・地域包括支援センター | 0 |
18 | 宅老所 | 0 |
合計 | 7 |
援助内容 | 件数 | |
---|---|---|
1 | ケアの方法について | 1 |
2 | ケアの視点について | 4 |
3 | 認知症の理解について | 3 |
4 | 家族支援について | 1 |
5 | コミュニケーションについて | 0 |
6 | 認知症のためのアセスメントの視点・方法について | 4 |
7 | 具体的事例について | 4 |
8 | 住環境について | 0 |
9 | チームケアについて | 3 |
10 | ティーチング・コーチング | 1 |
合計 | 21 |
1.個別訪問相談援助事業を申請した理由 | 1 | スタッフが日頃業務で悩んでいることに対して、職場内指導者ではなく、外部のスーパーバイザーによる相談援助をうける事であらたな気づきを発見し、支援方法を見直す機会になると思い申請した。 | |
2 | 認知症専門棟の対応はしていないが、認知症がある利用者が増加傾向にある。開放施設である為、その対応を具体的に学びたく申請した。 | ||
3 | 貴法人でよい取り組みを計画されたので、様々なケースについて、専門職の方の意見を聞かせてもらいたいと申請した。 | ||
4 | 認知症の方が増えている為、理解を深めケアに繋げていきたいと思い申請した。 | ||
5 | 当施設は開設して日が浅く、新卒の職員も多く、利用者への関わり方等に難しさを感じることがあったので、この機会を利用し学びたいと申請した。 | ||
6 | 認知症ケアの疑問や考え方を専門家から学び、よりよいグループホームにしたいと考え申請した。 | ||
7 | 認知症理解の為に演習を取り入れ、プラン以前に利用者を理解する事で、新人および中堅職員のサービス理解を深めたかった。同時に共通認識と状態の理解からチームケアへのつなげかたも職員に学ばせておきたかった。 | ||
2.個別訪問相談援助を受けた感想 |
[1] 良かった
6件
[2] どちらともいえない
1件
[3] よくなかった
0件
|
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(上記[1]の回答理由) <良かった> |
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1 | 支援に対する気づきの発見ができ、一人ひとりがまた初心にかえって自己の援助を見直す事ができた。 | ||
2 | 認知症研修等を受ける機会が少なく、明確なビジョンが無いまま利用者と接する傾向にあったが、専門知識を有する方の相談援助を受けて、今までの対応と違う方向性を見つけだすことができた。良いと思っていた事が逆効果であったのではないかと考える部分が多々あり今後の参考になった。 | ||
3 | 自分たちのケースのふり返りができた。他事業所との連携について、よいアドバイスをいただくことができた。 | ||
4 | 認知症の方本人を理解して対応することの大切さを良く理解できた。又、他のスタッフと共に学ぶことの大切さにも気づく事が出来た。 | ||
5 | 今までと違った視点でのケアの方法や、考え方を学ぶ事ができた。 | ||
6 | 症状理解からケアの視点、対応困難と呼ばれる方達への見方が変わった。他職員からも「気づかされた事」が多くあったとの感想があげられている。 | ||
7 | 他施設の状況や勉強会(講習)の進め方、コミュニケーションスキル、介護者として同じ悩みがあり共有できること等、の気づきを得ることが出来た。 | ||
8 | 新人・中堅職員から外部からの講師に緊張するも、認知症についてより問題とされている事でも視点を少し変えることで利用者を理解することができる事への安心感があげられた。 | ||
(上記[2]の回答理由) <どちらともいえない> |
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1 | 今回は事前に提示されていた3時間という制約があったので、現場で対応に悩んでいる利用者への関わり方を、現場で指導して頂ける場面を作ることができなかった。できることなら、もう少し長い時間ユニットにいて頂き、OJTをして頂けると有難たかった。 | ||
3.当事業について今後も機会があれば申請したいと思うか。 |
[1] 思う
7件
[2] 思わない
0件
|
||
(上記[1]の回答理由) <思う> |
|||
1 | シフト制勤務であるため多くの職員が一堂に会して研修するのが困難であったが、今回は月1回の各ユニットミーティング時に設定したため、9割程度のスタッフが参加することができた。同時に、他事業所の援助者からお話を伺うことでスタッフ間に刺激が発生し、支援の目が少しながら変化したように感じられた。 | ||
2 | 認知症ケアの研修が不足しており、独自の対応を行っているが、専門的アドバイスを受け、対応方法についての違った視点、アセスメント法を受けることが出来た。 | ||
3 | 専門的見地からのアドバイスがもらえるのはとてもよい。 | ||
4 | 介護現場での課題解消に有効であると思われる。 | ||
5 | 今回の講義の他にコミュニケーション等についても講義があるとのことだったので受けてみたいと思う。 | ||
6 | 今後とも色々な人の認知症ケアに対する取り組みや考え、経験を学びたい。 | ||
7 | 今回のように個別事例を使用する事で課題の解決から、課題評価までのプロセスを現場職員が学び理解することで、重度化する認知症者への対応が、利用者QOL向上へと向かう良い機会となるので。 | ||
4.その他当事業に対して意見や要望 | 1 | 認知症ケア援助者の貴重な意見や、体験をスタッフへ話して頂く事で日頃悩んでいた事を解決できる糸口になる場合もあるので、年一回の定期的な相談援助事業の実施を希望する。 | |
2 | 事前に、内容やタイムスケジュールの提示が欲しかった。各施設での設備面等から、利用者を見ながら具体的な対応方法をもう少し聞ければ良かった。認知症と一言では片付けられない症状があり、マニュアル通りに行かない場合が多いので、様々な対応方法についての学びが欲しい。機会があれば年1回程度の訪問をお願いしたい。 | ||
3 | できれば、他都道府県認知症ケア援助者の方の援助も受けたい。 | ||
4 | 認知症に対する援助時の職員の心構えとして、認知症の方はわからないから良いのではなく、わからなくて何に困っているのか本人を見ることの大切さを良く理解出来た。今後も、多くのスタッフに話をして頂きたい。事業について理解不足であり、今後どの様な活動をして下さるのか良くわからない。又、こちらの受け入れについてどの様にしたら良いのかよくわからないまま1回目を迎えてしまった。 | ||
5 | 申請時には、どのような認知症ケア援助者の方がおられるのかを知る事ができない為、事前に一覧等があり、希望が出せると良いと思いました。 | ||
6 | もっと定期的に行える機会を増やしてほしい。介護職、業界としての共通理解、スキルアップ等、専門性を高め、地位の向上を図ってほしい。 | ||
7 | スーパーバイザー的な相談窓口を設けてほしい。 | ||
8 | 同一講師の派遣を定期ないし複数回で設定してほしい。 |