個別訪問相談援助事業は、認知症ケアに課題を抱える介護保険事業所からの援助の申し出に応じ、認知症介護指導者等(本事業では、「認知症ケア援助者」といっています)を事業所に直接派遣し認知症ケアの現場における課題を解決する為のヒントを提供することを目的としています。
平成22年7月に実施した19事業所からのアンケート結果を報告いたします。19件の訪問事業所及び援助内容は下記の通りです。
訪問事業所種別 | 件数 | |
---|---|---|
1 | 訪問介護 | 2 |
2 | 訪問看護 | 0 |
3 | 通所介護(デイサービス) | 2 |
4 | 通所リハビリテーション(デイケア) | 0 |
5 | 短期入所生活介護(ショートステイ) | 0 |
6 | 養護老人ホーム | 0 |
7 | 有料老人ホーム | 2 |
8 | 軽費老人ホーム | 0 |
9 | 介護老人保健施設(老健) | 4 |
10 | 介護老人福祉施設(特養) | 3 |
11 | 介護療養型医療施設 | 1 |
12 | 小規模多機能型居宅介護 | 0 |
13 | 認知症対応型共同生活介護(グループホーム) | 4 |
14 | 地域密着型特定施設入居者生活介護 | 0 |
15 | 地域密着型介護老人福祉施設 | 0 |
16 | 居宅介護支援事業所 | 1 |
17 | 在宅介護支援センター・地域包括支援センター | 0 |
18 | 宅老所 | 0 |
合計 | 19 |
援助内容 | 件数 | |
---|---|---|
1 | ケアの方法について | 12 |
2 | ケアの視点について | 12 |
3 | 認知症の理解について | 12 |
4 | 家族支援について | 2 |
5 | コミュニケーションについて | 1 |
6 | 認知症のためのアセスメントの視点・方法について | 9 |
7 | 具体的事例について | 9 |
8 | 住環境について | 2 |
9 | チームケアについて | 9 |
10 | ティーチング・コーチング | 2 |
合計 | 70 |
1.個別訪問相談援助事業の申請理由 | 1 | 全職員が認知症の理解、知識を深めたいと強く望んだため申請した。 | |
2 | 日頃の利用者との関わりで悩んでいることを、第三者(認知症ケアの専門家)に相談し、自分たちがやっていることを振り返る機会にしたかった。 | ||
3 | 職員間の知識のバラツキがあり、ケアの統一がうまくいっていなかった。どのように接してよいのか分からないという意見が多く、認知症ケアを学びたく申請した。 | ||
4 | 新入職員も多いことから、基礎的理解を深める機会を持ちたいと考え申請した。 | ||
5 | 認知症介護の当たり前のことが実践できていない現状を反省し、職員が一堂に会して認知症の人の理解を深める機会を持ち、具体的なケアプランの立て方や実践評価の流れについて勉強したいと思い申請した。 | ||
6 | 認知症の理解を深め、業務に活用していきたい。 | ||
7 | 認知症ケアの気づきができる。 | ||
8 | 認知症の利用者が多く、いろんな症状の方がおられ、どう対応して良いのかわからない点があり相談したかった。良いケアにつながって行けば良いと思い申請した。 | ||
9 | 日頃より認知症状がある方への対応に苦慮していたことと、専門の方からの講義・援助を受ける機会が少なかったため申請した。 | ||
10 | 同じ方向性を持って認知症ケアを実践していくためのチームケアをどう考えるか、外部の客観的な視点でのアドバイスを頂きたく申請した。 | ||
11 | 日常のケアの中で、具体的な対応方法についてのヒントが得られればと思い、職員の知識向上の一環として申請した。 | ||
12 | ケアの現場で日々感じる疑問や悩みについて、経験豊かな援助者に直接質問し、経験に裏打ちされた助言を、特に新入職スタッフに向け頂きたいと思った。 | ||
13 | 施設職員がまとまって専門家の研修を受けることができ、皆が同じ内容を共有することで、入居者一人ひとりに良い介護の提供をすることができると考えた。 | ||
14 | 認知症の進んだ利用者の家族への対応や、認知症の理解を深めたかったため申請した。 | ||
15 | 施設利用者のほとんどが認知症であり、日々苦慮している。外部の研修にも参加しているが、多数の職員を同じ研修に参加させることは不可能なため、援助者を派遣してもらえることで多くの職員が同じ研修を受けられ、認知症利用者への対応が良くなると思い申請した。 | ||
16 | 異動等で職員が入れ替わり、職員全員の意識統一ができていないため。 | ||
17 | 施設全体の認知症ケアのスキルアップのため。 | ||
18 | 認知症についての理解を深めたいがなかなか機会がなかった。外部から援助者の方に訪問してもらい、自分たちのケアを客観的に見直す機会になれば、と思い申請した。 | ||
19 | 認知症の方への対応にバラツキがあり、各職員に認知症の理解を深めてほしかった。 | ||
20 | 当施設の認知症の基礎的な理解力不足と認知症ケア技術向上のため、また指導力不足を補うためのひとつの対策として活用したかった。 | ||
2.個別訪問相談援助を受けた感想 |
[1] 良かった
19件
[2] どちらともいえない
0件
[3] よくなかった
0件
|
||
(上記[1]の回答理由) <良かった> |
|||
1 | 全職員が援助者の言葉に胸を打たれた。ひもときシートを活用してみて、自分たちが知っている「つもり」であったが実は余り知っていなかったことに気づけた。情報共有の大切さを感じた。 | ||
2 | 援助者の助言により、新たな発見や自分たちの行っているケアの良い点が確認ができて良かった。 | ||
3 | 研修は事業所で1人位しか参加できないが、今回はホーム内の職員全員が参加でき、あとから、お互いで話し合うこともできた。 | ||
4 | 認知症の知識を再確認できた。 | ||
5 | 具体的な例を挙げて周辺症状についての説明をしてくれたので分かりやすかった。 | ||
6 | 相手の立場に立つことを再確認できた。 | ||
7 | 認知症の種類と特徴などを具体例も交えて説明して頂き大変分かりやすかった。利用者の強みを見つける演習では、普段接している利用者について自由に意見を言える内容で、職員が主体的に取組むことができた。 | ||
8 | 他施設との合同勉強会と異なり、同じ介護の現場で働く者同士の共有課題として、自分達の介護を振り返る良い機会となった。 | ||
9 | こじんまりとしたホームの一室で膝を並べての学びは、援助者と職員の連帯感をつくりあげることができた。 | ||
10 | 当施設のレベルにあった質問で、職員の全般状況を確認しながらの進行で新人にも分かりやすかった。 | ||
11 | わかりやすい説明で、事例の話や経験談も交えとても楽しく教えてくれた。ヘルパーからも活発に質問したり、自分の担当している利用者への対応などを相談でき、大変良かった。 | ||
12 | 課題をきちんと整理していくことができたことと、外部から援助者を招くことで、いつもと違う研修になり良かった。 | ||
13 | どの職員にもわかりやすい話だった。参加した職員も話を聞いて気づきを得たようだった。 | ||
14 | 事例も交えて認知症の方への対応について話してもらい、分かりやすかった。参加者からも、チームケアの大切さや対応の仕方について気づきがあったとの意見がある。 | ||
15 | 長く現場で介護を続けておられる援助者の生の声で、心構えや目線の向けどころ、考え方を聞くことができ、前向きな気持ちを持てた。 | ||
16 | 演習を通して、同僚の意見を興味深く聞くことができた。まず職員同士がお互いに尊重し合っているかどうかが利用者に大きく影響するとの話は重要なポイントだと感じた。 | ||
17 | あるケースを取り上げ、発症時、現在、今後と時系列で検証することを援助者に提案された。検証しながら振り返ると、変化の時がいくつか見うけられ、この時に行動を起こしておけばどうなったか?等、考えさせられ、気がついた点があった。 | ||
18 | 認知症状からの行動障害に対する職員の考え方、意識が変わったように思う。また、実際に困っているケースに関しても具体的対応法をアドバイスしてもらえた。 | ||
19 | 事前に援助者と詳細な打ち合わせができた。相談援助自体も、講義と演習で分かりやすく行って頂いた。職員一人ひとりの意識改革に繋がればと願っている。 | ||
20 | サービスを提供する上での気持ちの持ち方や考え方が変わった。 | ||
21 | 興味を持って業務にあたることができるようになった。 | ||
22 | 日頃の思いを援助者に受けとめてもらえたことで、自分たちのケアに対して見直すところ、評価できるところに気づく契機になった。少人数だったので、リラックスした雰囲気で話をすることができた。 | ||
23 | 援助者は現場の対応が良く分かっておられ、説明もとても分かりやすかった。 | ||
24 | 認知症の基礎的な理解と職員のやるべきことが学べた。 | ||
25 | 指導的立場として、今後の新人教育に役立てることができる内容だった。 | ||
26 | 具体的な事例もふまえた説明で理解しやすかった。今後も生かしたい。 | ||
27 | 分かっているつもりで分かっていないことがあったので学べて良かった。一つひとつの話をもう少しじっくり聞ければなお良かった。 | ||
28 | 基本的な内容で、とても分かりやすかった。間違ったケアをしないためにも定期的な勉強会は必要だと感じる。 | ||
29 | とてもわかりやすく、自分の行っている介護の改善すべき点に気づけた。 | ||
30 | 基本的な認知症の知識を再確認できた。また、自分の知らないことを学ぶことができて大変役に立った。 | ||
31 | レビー小体型認知症について知りたかったので今回の研修で学べて良かった。 | ||
32 | 他施設の現場の状況等を教えて頂き、参考になった。 | ||
33 | 生の情報を聞くことができた。 | ||
34 | 具体的な説明でよく理解でき、認知症の人へのケア、思いやることができそうに思えた。 | ||
35 | 表面的にしか知らなかったことを奥深く説明して下さり、とても参考になった。 | ||
36 | とても分かりやすかったが、様々な精神症状は理解するのに時間がかかり、難題のように思えた。相手の立場になって考えることやなぜと疑問に思うことが良いケアに結びつくと思った。 | ||
37 | 内容が具体的でわかりやすく身近に感じた。もう少し色々と質疑応答ができればと思った。 | ||
3.当事業について今後も機会があれば申請したいと思うか。 |
[1] 思う
19件
[2] 思わない
0件
|
||
(上記[1]の回答理由) <思う> |
|||
1 | 引き続き情報を与えて頂きたいことと、皆でディスカッションをして皆で問題解決につなげていきたい。 | ||
2 | 認知症ケアについては、日々学んでいかなければいけないことである。他職員と一緒に学ぶことができる。 | ||
3 | 施設内での事例や困ったことを実際に指導してもらいたい。定期的に学ぶ機会があれば役立つと思う。 | ||
4 | 外部の方による研修は緊張感もあり、多くのことに気付かされる機会になる。 | ||
5 | 一人でも多くの職員が一堂に会して学習する機会を得られ、効果的である。 | ||
6 | 経済面と時間の効率化に有効である。 | ||
7 | 認知症の理解を深めていきたい。 | ||
8 | 外部講師ということで、刺激があり、参加者の受け取り方も素直であるように感じられる。 | ||
9 | 有意義な時間を持つことができ、勉強になった。楽しく教えていただいてとても良かった。 | ||
10 | 勉強する機会が少ないため、今後も機会があれば申請したい。 | ||
11 | 今回参加した職員からも分かりやすくて良かったとの話があった。外部から援助者を招くことで、普段と流れが変わり、良かった。 | ||
12 | 外部の方からの目線での講義を受けることで、日常気づけなくなっていることに気づけ、とてもよい刺激になっている。新入職員も多いため、専門的知識・経験のある方からの講義は人材育成上とても有効である。 | ||
13 | 今回参加が叶わなかったスタッフにも参加させたい。多くの援助者から、多くの意見をうかがいたい。 | ||
14 | 新人スタッフにとっては業務のすべてが初体験のため、本人も回りのスタッフ達にも不安がある。繰り返し学ぶことで理解が深まると思う。 | ||
15 | 援助者は第三者的な立場から冷静な考えで現状を観察でき、私情を交えず利用者本人の現状に合った支援相談ができる。 | ||
16 | 多くの職員が同じ研修を聞くほうが、より現場での取り組みに反映させやすい。 | ||
17 | 管理的立場の職員に対しても相談に応じて頂き、アドバイスを受けられた。 | ||
18 | 職員から、もっと研修を受けたいとの意見が多かった。 | ||
19 | なかなか他に外部から講師を招いて研修等を行う機会がない。認知症ケアについての新しい、正しい知識を得たり、自分たちのケアを見直すきっかけとしたい。 | ||
20 | 認知症ケアはとても奥深いので、何度でも勉強するべきだと思う。 | ||
21 | その時々の施設の状況、課題に即して、訪問内容を検討できるから。 | ||
22 | 施設内での事例や困ったことなど実際に指導していただければと思う。 | ||
23 | 他の部署の職員にも学んでもらいたい。 | ||
24 | 認知症ケアだけでなく、食事や排泄など色々な分野の相談援助があれば受けたい。 | ||
25 | 定期的に学ぶ機会があれば、職員のスキルアップに繋がり大変役立つと思う。 | ||
26 | 理解を深めていければ、利用者にももっと優しく巧みに接していけると思う。 | ||
27 | 医療に関する事など(症状と対応)も相談内容に含めて欲しい。 | ||
28 | 他施設の話や年代の違う利用者さんの話が聞けそうだと印象を受けたので、興味が湧いた。今回は認知症ケアの具体的な内容があまり聞けなかったので、機会があれば受けたい。 | ||
29 | 勉強になり、考えるきっかけをあたえてくれる。 | ||
30 | 自分自身の介護の向上のためにも学び続け介護に生かすように努力したい。 | ||
31 | 知らないことがまだ沢山あると思うので、今後も機会があれば受けたい。 | ||
4.その他当事業に対して意見や要望 | 1 | 訪問してくれる援助者を選べるシステムがあるとより良くなるように感じる。 | |
2 | なかなかパート職員が研修に行くことが少ないため、このような事業はいいことだと思う。今後も、この事業が継続することを望む。 | ||
3 | 認知症のタイプ別に分けての説明が欲しい。 | ||
4 | 日常的に困難事例の相談が出来る体制を希望。 | ||
5 | 中味の濃い充実した研修を無料でして貰えたことに感謝している。 | ||
6 | もう少し入念に準備しておけば良かったと反省している。事前に、援助者と事業所の間でもう少し詳細な打ち合わせが必要だったと思う。 | ||
7 | 継続的に相談ができると良い。 | ||
8 | 外部への研修は、一度に多数参加させることが難しいため、援助者を派遣して実施して貰えるのはとてもありがたい。多くの気づきがあり大変参考になった。 | ||
9 | 施設スタッフの男女比により、男性と女性のどちらの援助者の話を聞きたいかが違ってくるかもしれない。 | ||
10 | 自施設のみしか勤務経験のない場合でも、援助者が幅広い情報を提供して下さっているのはありがたい。 | ||
11 | 交通の便が悪い立地の事業所のため、研修会に出るにも時間がかかる。今回のような訪問援助が受けられれば、他事業所共に、共通の視点でケアができると思った。援助者の人数を増やしてほしい。 | ||
12 | 援助者と気軽に電話等でも相談できるような仕組みになっていればありがたい。 | ||
13 | 認知症高齢者援助の理解や介護技術向上への取り組みは、今までもホームで取り組んできた。なぜなら有料老人ホームにおける全スタッフのスキル向上への取り組みは非常に重要であり、急務でもあるからである。今回、非常に深い経験と知識をお持ちである援助者を招いて、教えて頂いたことは、内部研修では為しえない貴重な内容だった。 | ||
14 | 活発な意見交換もでき、スタッフの中にはさらに次の段階の援助を望んでいる人もいて、何回かシリーズで援助を受けたいとの要望があった。ぜひ時間を増やして頂ければと思う。 | ||
15 | この事業はぜひとも続けて頂き、実際の現場のスタッフの心も動かしていただければと思う。 | ||
16 | 映像を見ながら学びたい。定期的に行ってもらいたい。 | ||
17 | タイプ別に分けて説明がほしい。その人その人で対応の仕方は変わるのは分かるが具体性がほしい。 | ||
18 | 職員のスキルアップのため定期的な勉強会を開催して欲しい。個別ケースについて、具体的なケアや対応方法、問題解決方法を指導してほしい。 | ||
19 | 実演、実践を交えていただくとより楽しく学ぶことができると思う。 | ||
20 | 他施設のユニットケアについて知りたい。また、入浴等いろいろな面での個別ケアについて他施設ではどのようにしているのか知りたい。 | ||
21 | 介護の実践につながるような援助方法を学びたい。 |