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平成22年度 9月 個別訪問相談援助事業 実施状況

個別訪問相談援助事業は、認知症ケアに課題を抱える介護保険事業所からの援助の申し出に応じ、認知症介護指導者等(本事業では、「認知症ケア援助者」といっています)を事業所に直接派遣し認知症ケアの現場における課題を解決する為のヒントを提供することを目的としています。
平成22年9月に実施した17事業所からのアンケート結果を報告いたします。17件の訪問事業所及び援助内容は下記の通りです。

1.訪問事業所内訳
訪問事業所種別 件数
1 訪問介護 1
2 訪問看護 0
3 通所介護(デイサービス) 1
4 通所リハビリテーション(デイケア) 0
5 短期入所生活介護(ショートステイ) 0
6 養護老人ホーム 0
7 有料老人ホーム 2
8 軽費老人ホーム 0
9 介護老人保健施設(老健) 3
10 介護老人福祉施設(特養) 3
11 介護療養型医療施設 1
12 小規模多機能型居宅介護 1
13 認知症対応型共同生活介護(グループホーム) 5
14 地域密着型特定施設入居者生活介護 0
15 地域密着型介護老人福祉施設 0
16 居宅介護支援事業所 0
17 在宅介護支援センター・地域包括支援センター 0
18 宅老所 0
合計 17
2.援助内容内訳 (複数回答)
援助内容 件数
1 ケアの方法について 4
2 ケアの視点について 10
3 認知症の理解について 7
4 家族支援について 5
5 コミュニケーションについて 1
6 認知症のためのアセスメントの視点・方法について 6
7 具体的事例について 9
8 住環境について 0
9 チームケアについて 6
10 ティーチング・コーチング 4
合計 52
3.アンケート集計結果
1.個別訪問相談援助事業の申請理由 1 他の事業所がどのようなケアプラン作成をしているのか知り、学びたかった。また、アセスメントの活かし方を学びたいと思ったので申請した。
2 事業所の介護理念と少し違った方向を向いているスタッフに対する指導について、迷うことがあったため申請した。
3 スタッフそれぞれの介護に対しての想いや、利用者様への接し方、声かけの仕方等に微妙なズレを感じることがあったため、認知症介護について新人からベテランまで共に勉強する機会を作りたいと考え申請した。
4 入所者の事例について、観察ケアと、見守りやかかわりケアの対応の仕方を、より具体的に学びたいと思い申請した。
5 環境の変化により認知症の症状が悪化してしまうケースが多いため、対応方法を学びたかった。
6 認知症ケアの充実化と、ケアの視点およびチームケアについて勉強をしたかった。
7 認知症の方へ1対1でのサービスを提供する上で、困難となる場面が多くなってきており、新人スタッフも増えてきているため、認知症ケアの専門家である援助者から学ぶことにより、事業所の状況をより良くしたいと思い申請した。
8 事業所内の勉強会でアセスメントを中心に学んでいるため、さらに学びを深めるのに良い機会だと思い、申請をした。
9 認知症ケアの経験が少ない職員が多く、一人ひとりの職員の理解を深めることが必要だと考えているが、地理的な条件から職員研修等を受ける機会が限られているため、援助者に訪問してもらえる機会は貴重だと考え申請した。
10 各スタッフの介護に対する姿勢やケアの質を上げたいと思い申請した。
11 認知症についての知識・経験に乏しい職員もおり、問題事項に対処するだけの「その場しのぎ」のケアになってしまうことがあるため、きちんと学ぶ機会を作りたかった。
12 職員の資質向上を図りたかった。
13 経験の浅い職員が多いため、"認知症"と"グループホーム"に対する理解を深めたかった。
14 認知症に関する内部研修は実施しているが、実践では場あたり的な対応となりがちで、チームケアが不完全であるため、個別の理解を深めるとともに、チームとしてのより良いサービス提供への足掛かりとしたかった。
15 認知症の周辺症状についての理解を深め、関わり方を学びたかったため申請した。
16 どのようなケアが適切なのかという職員の悩みが少しでも解消できればとの思いから申請した。
17 認知症の方への対応方法や、職種による対応の違い等について勉強する良い機会だと思い申請した。
18 身体的ケアが優先になっており、利用者一人ひとりと向き合う姿勢が十分ではないので、改善していきたいと思い申請した。
19 チームケアを行っていくにあたって、個別化の視点を深めたいと思い申請した。
2.個別訪問相談援助を受けた感想
[1] 良かった
16件

[2] どちらともいえない
1件

[3] よくなかった
0件

(上記[1]の回答理由)
<良かった>
1 色々な意味で刺激を受けることができたので良かった。
2 援助者が、現場の大変さや、パーソンセンタードケア、看護においても熟知されており、あらゆる面から学習させて頂くことができた。
3 認知症のケアでは、まず本人の気持ちを安心させることが大切であり、さまざまな症状や言動を正確に把握し整理しながら、共感的理解へと持って行くことが大切であると理解できた。今後もひもときシートを活用し、ケアに生かしていきたいと考えている。
4 実際に体験した事例をもとに、全員参加のディスカッションで他の参加者から意見をもらったりアドバイスを受けたりして、色々な角度から事例をとらえることができた。
5 認知症について、より詳しく教えて頂き、大変勉強になった。さらにチームケアについてももう少し勉強したかった。
6 援助者にわかりやすく指導して頂き、あっという間に時間が過ぎた。今回参加できなかった新人スタッフや認知症研修に参加していないスタッフに対しても、個別に勉強会を開いていけるよう、今後事業所として取り組んで行こうと思う。
7 利用者の情報収集の必要性を改めて学んだ。24時間シートを使用してみて、日々の取り組みの中で努力していることについての裏づけができた。
8 職員一人ひとりが認知症への理解を深めることができた。外部援助者からの指導は初めてだったが、違った視点からの介護のあり方について学ぶ機会となった。課題としてチームケアが挙がったが、援助者の現場での実体験を通じ今何が必要かを考える機会となった。
9 いい勉強になった。皆が良い介護をめざそうという気持ちになれたと思う。忘れていたことを再確認でき、とてもためになった。
10 一つの事例に対しスタッフ個々人の意見を皆で共有したり、思考の相違を改めて認識したりすることにより、問題解決に向けて対応方法を統一できることがわかった。
11 援助者が現場経験者であり、現場目線で話をしてくださったので受け止めやすかった。
12 援助者が楽しそうに話をしてくださったので、職員から「グループホームってこんなに楽しいところ」「介護の原点に戻ることができた」との声が上がった。
13 初めてひもときシートを活用してのケース検討会を行った。いつものケース検討会と違って、職員の内面的な部分にも触れることができ、利用者への支援にきっと反映できると確信した。チームとして利用者をどう支えていけば良いのか、皆で考える良い機会になった。
14 BPSDを抱える利用者が多数おり、職員のメンタル面が弱体化している状況の中で、認知症の方との関わり方を指導していただいた。外部の第三者から見た当施設の現状を知ることができたことは、自分たちの行っているケアへの自信につながると思えた。また、援助者の職員への支援的な声かけが、職員の心の安定につながった。
15 認知症の方との接し方のポイントや周辺症状等に実際職員が行ったケア、その視点が多数紹介された資料は今後の参考になると思う。
16 大変参考になるご意見が頂けた。
17 身近な事例を通してひもときシートを使用したことで、利用者の情報の整理や他のケアの方法の発見につながった。
18 具体的な例を挙げてケアの視点について指導していただいたので理解しやすかった。
(上記[2]の回答理由)
<どちらともいえない>
1 責任者やリーダー層の職員との少人数での相談になったため、効果等については、はっきりしたことが言えない。
3.当事業について今後も機会があれば申請したいと思うか。
[1] 思う
17件

[2] 思わない
0件

(上記[1]の回答理由)
<思う>
1 外部の人から経験談などの話や意見を聞くことは、良い刺激になる。
2 上司等が同席していると率直な意見が出しにくいこともあるため、現場のスタッフ中心の場でもう一度受けてみたい。
3 外部から経験豊かな援助者を招いての勉強会は良い刺激となり、また明日から頑張ろうという励みになった。今後もこのような機会があればと思う。
4 今後も学習を深めて行くために、ご指導を願いたいと思う。
5 自分達のケア、対応を振り返る良い機会となるため。
6 専門分野の援助者の方々より色々な情報を教えていただき、知識を増やしたいと思う。
7 今回参加していなスタッフにも機会を与えられたらと思う。
8 地理的条件から、職員を研修に出すことが難しく、近くに同様の事業を行っている事業所もほとんどないので、学ぶ機会が少ないため。
9 参加した職員たちから、是非また機会を作って欲しいという声が上がり、参加できなかった職員からも、次回は是非参加したいという意見があるため。
10 職員以外の方の意見が聞けるということは大変参考になると考えるため。
11 外部の方が援助にきてくださる機会は少なく、とても貴重であるため。
12 職員のモチベーションアップにつながった実感が持てたため。
13 日々、思考錯誤しながら認知症ケアに携わっているが、外部からどのように見られているのかを知り、意見を聞かせていただく良い機会だと考えているため。
14 次回は個別の事例について相談したい。
15 いろいろな認知症の症状に対しての対応方法や、チームケアをどのようにしていくかなど、さらに具体的に知りたい。
16 参加できなかったスタッフも多数いるため、ぜひ今後も申請したい。
4.その他当事業に対して意見や要望 1 一年に1度行えたら良いが、講師はいつも同じでない方が良いと思う。事業所の現状に応じてアドバイスを受けることは、現場を閉鎖的な空間にしないためにも必要である。
2 研修に出向くという形ではなく、個別で訪問していただけることで、多くの職員が参加でき、意義深い勉強会となった。継続して相談援助を受けられるように希望したい。
3 大変良い学びができた。参加者それぞれがステップアップし、今後の日々のケアにつなげていけたらと思う。また、援助者に日頃の業務の中でのストレスを聴いて貰い、認めてもらえたことはスタッフの精神面にも良い場となった。
4 援助者がやや遠方から来てくださったが、もう少し近場の方がいらっしゃれば、援助者の負担が少ないかと思う。
5 スタッフがより多く参加できるよう、夜間の時間帯での訪問が可能になればと思う。
6 当事業所の理念等について、援助者と事業者の間でもう少し事前の情報提供や打ち合わせが必要だったと思う。
7 3年間通じて事業を行っていただくことで課題解決に向けた取り組みができると思う。今回課題をもって次なる方向性を見出すことができたが、一年後に新たな課題にぶつかった時、同じ援助者に来ていただければ、次なる課題に向けての新しい目標を立てやすいのではないか。
8 事例をもとに意見を共有し、チームとして対応方法を検討することは、職員の意識改革になり、今後のケアを実践していく上で、有意義な時間だと思う。
9 このような事業を継続運営していくために必要であるならば、数千円程度なら援助者派遣料を支払っても良いと思っている。
10 外部から援助者に来ていただけるという機会が少ないため、このような事業を今後も継続してほしい。
11 事例を挙げ、特定の利用者に対してのみのケア(対処法)を援助者と共に検討するやり方も良いのではないかと思う。
12 ひもときシートについての理解が1度ではなかなか難しいので、2~3回程度のご指導を頂けると、より確実なものとして活用できるのではないか。

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