一体的支援プログラムは、
家族の関係にアプローチする
新しいプログラムです
これまで、認知症の本人、家族介護者それぞれ別々に支援が行われてきました。例えば、本人ミーティングや家族同士の相談や学びの機会などです。また、地域づくりの視点では、認知症カフェや認知症サポーターなどがありました。
1993年オランダ・アムステルダムで生まれた「ミーティングセンター・サポートプログラム」は2020年からモデル事業と検証を重ね、2022年より地域支援事業として正式に事業化されました。
家族をひとつの単位とした支援
一体的支援プログラムは、家族を一つの単位として一体的に支援を行います。月に一回程度、家族と本人が、話し合い思いを共有し、そして一緒に活動を楽しむことで、お互いの思いのズレや葛藤を調整し再構築を図ります。他の家族との出会い、自然に関係性の在り方の気づきを得ることができます。
学びあいプラットフォーム
本⼈の声から始まるミーティングセンター
−包括・疾患医療センターとの連携−
(第2回 令和6年10月17日)
学びあいプラットフォーム
令和6年度 バックナンバー
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第1回令和6年9月6日
地域⽀援事業と⼀体的⽀援事業の実施状況と企画調整
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第2回令和6年10月17日
本⼈の声から始まるミーティングセンター −包括・疾患医療センターとの連携−
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第3回令和6年12月10日
ミーティングセンターの始め⽅
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第4回令和7年2月5日
地域⽀援事業とミーティングセンター
学びあいプラットフォーム
令和5年度 バックナンバー
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第1回令和5年9月22日
「なぜ、いまミーティングセンターなのか」 ~認知症カフェ、ピアサポート等との違い~
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第2回令和5年10月18日
ミーティングセンターの真価を学び直すⅠ ~行政との連携~
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第3回令和5年11月14日
始め方と進め方Ⅰ ~どのように定着を目指すか?~
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第4回令和5年12月12日
ミーティングセンターの真価を学び直すⅡ ~新たに始める~
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第5回令和6年1月9日
始め方と進め方Ⅱ ~毎回の活動の考え方~
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第6回令和6年2月15日
ミーティングセンターの真価を学び直すⅢ ~行政との連携と場所~
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第7回令和6年3月12日
始め方と進め方Ⅲ ~本人・家族にどのように伝えていくか~
学びあいプラットフォーム
令和4年度 バックナンバー
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第1回令和4年6月21日
「なぜ、いまミーティングセンターなのか」 ~認知症カフェ、ピアサポート等との違い~
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第2回令和4年7月21日
ミーティングセンターの真価を学び直すⅠ 行政から見たミーティングセンターの必要性
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第3回令和4年9月20日
やってみようシリーズⅠ (地域包括支援センター・疾患センター 編)
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第4回令和4年10月21日
ミーティングセンターの真価を学び直すⅡ 自地域のプレイヤーの探し方
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第5回令和4年11月21日
やってみようシリーズⅡ (介護事業所・市民団体 編)
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第6回令和5年1月16日
ミーティングセンターの真価を学び直すⅢ 評価の考え方と方法
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第7回令和5年3月22日
やってみようシリーズⅢ (認知症カフェ・家族の会 編)
1993年オランダ・アムステルダムで生まれたこのプログラムは2020年から日本版としてスタートしました。
全国でモデル的に始まった事例をご紹介します。
- # 地域包括支援センター・行政で運営
- # 介護保険事務所などで運営
- # 認知症疾患医療センターが運営
- # その他の法人や共同体での運営
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福岡県 大牟田市
その他法人や共同体
福岡県 大牟田市
- 人口
- 11万人
- 高齢化率
- 36%
- 運営
- 大牟田市認知症ライフサポート研究会
SOS模擬訓練の発祥の地の一つでもあり、本人支援、役割の創出などの活動も盛ん。パン屋、カフェ、居酒屋など様々な場所で開催。
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福岡県 飯塚市
認知症疾患医療センター
福岡県 飯塚市
- 人口
- 12万人
- 高齢化率
- 31%
- 運営
- 飯塚記念病院認知症疾患医療センター
2次医療圏域を対象に、広域の参加者があり、外出、海釣りなど工夫を凝らし病院外で地域での活動を広く展開。
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京都府 宇治市
地域包括支援センター
京都府 宇治市
- 人口
- 18万人
- 高齢化率
- 29%
- 運営
- 宇治市福祉サービス公社
認知症カフェ発祥の地の一つであり連携や支援も組織化されている。地域の医療・福祉・大学・農家など関連団体と共同し本人の役割創出の活動も生まれている。
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奈良県 奈良市
介護事業所等
奈良県 奈良市
- 人口
- 36万人
- 高齢化率
- 31%
- 運営
- (株)リールステージ
市内の過疎部の地域をモデルとして対象にして認知症カフェの開催場所で実施。官民協働の運営。
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東京都 品川区
介護事業所等
東京都 品川区
- 人口
- 38万人
- 高齢化率
- 21%
- 運営
- 地域密着型小規模多機能ホーム東五反田倶楽部
本人・家族との話し合いの中から発展的にプログラムを実施している。働くこと、ピアサポート、地域との協働を柱にしつつ展開する。
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長野県 駒ヶ根市
その他法人や共同体
長野県 駒ヶ根市
- 人口
- 3万人
- 高齢化率
- 31%
- 運営
- NPO法人地域支え合いネット
行政とも連携し認知症サポーターの活動と活用、育成支援が浸透。通いの場や認知症カフェ等の活動も盛ん。楽器の演奏や、畑作業など参加者の声から活動が発展。
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富山県 射水市
地域包括支援センター・行政
富山県 射水市
- 人口
- 9万人
- 高齢化率
- 31%
- 運営
- 射水市役所地域福祉課
なごもっと(本人、家族の集い)が基盤となり、認知症地域支援推進員や認知症疾患医療センタースタッフ、ボランティアも運営に関わる。
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神奈川県 平塚市
その他法人や共同体
神奈川県 平塚市 SHIGETA HOUSE
- 人口
- 25万人
- 高齢化率
- 27%
- 運営
- (一社) 栄樹庵SHIGETA HOUSEプロジェクト
空き家であったSHIGETAハウスを拠点とした多職種連携。その場所を活用した創発的活動が今なお生まれ続けている。
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福島県 いわき市
地域包括支援センター・行政
福島県 いわき市
- 人口
- 35万人
- 高齢化率
- 31%
- 運営
- いわき市役所地域包括ケア推進課
本人ミーティングから発展し、ご家族も参加(2組4名)。認知症地域支援推進員と包括スタッフが運営。散歩や園芸など多様な活動。
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宮城県 仙台市
その他法人や共同体
宮城県 仙台市 ミーティングセンター翼
- 人口
- 106万人
- 高齢化率
- 24%
- 運営
- (公社)認知症の人と家族の会宮城県支部
おれんじドア発祥の地でもあり、本人の発信と若年性認知症支援の先駆け的団体による活動の発展型。合唱や運動が活動の中心になる。
- NEXT…
- NEXT…
一体型支援プログラムの
3つの柱
一体的支援プログラムは、
認知症の人と家族の関係調整を図ることを目指しオランダで育まれた
「適応-対処モデル」を背景に3つの柱で構成されています。
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一体的支援
認知症の人と家族が話し合い思いを共有し、ともに活動を行います。
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本人支援
本人の相談や思いに耳を傾ける機会を作ります。本人同士の話合いも行うこともあります。
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家族支援
家族の悩みや思いに耳を傾ける機会を設けます。家族同士の話合いを行うこともあります。
一体型支援プログラムの
3つの哲学
認知症の本人も家族も、支援する、されるという立場ではなく
台頭で水平な話し合いや活動が展開されるこのプログラムは、運営者の姿勢がとても大切になります。
その場や時間をつくるためにプログラム運営者は「3つの哲学」を大切にしていただきたいと思います。
- 1.
うまくいってるなら
直さない - 2.
うまくいったことは
繰り返す - 3.
うまくいかない場合は
違うことを
(ソリューション・フォーカストアプローチを参考にしています)
プログラムを考えるうえで、そして参加者と関わるうえで大切にしてほしいことです。
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Q1運営費用は?
一体的支援プログラムは、地域支援事業交付金(認知症総合支援事業)を利用し各市町村にて実施することができます。(地域支援事業実施要項参照)。
地域支援事業(認知症総合支援事業)における概要
⑥認知症の人と家族への一体的支援事業
認知症の人とその家族が、より良い関係性を保ちつつ、希望する在宅生活を継続できるよう、公共スペースや既存施設等を活用して本人と家族が共に活動する時間と場所を設け、本人支援、家族支援及び一体的支援からなる一連のプログラムを実施することにより、本人の意欲向上及び家族の介護負担感の軽減と、家族関係の再構築等を図る。 -
Q2誰が企画調整を行う?
認知症地域支援推進員が企画や調整を行います(地域支援事業実施要項参照)。
調整先は、行政、認知症関係団体(法人含)、認知症カフェ運営者、認知症の人と家族の会の世話人などです。
手引書 P11 参照
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Q3対象は?
認知症のご本人、ご家族です。家族関係やかかわり方に悩んでいる方など複数家族(親族)。うまくいっている家族の方のご参加も当然必要です。プログラムの参加によって、かかわり方関係の持ち方への気づきが得られることを目指しています。
手引書 P10 参照
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Q4運営者にはどのような方が必要?
話合いのファシリテーターとして認知症地域支援推進員や専門職が必要です(地域支援事業実施要項)。専門職とは、認知症介護にかかわる専門職で、社会福祉士、精神保健福祉士、心理職、認知症の人と家族の会の世話人の方などが考えられます。
手引書 P11 参照
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Q5プログラムの内容や時間は?
プログラムは「出会い」と「話し合い」を大切にします。プログラムの内容は「話し合い」で決まっていきます。運営者が決めるのではなく、認知症のご本人やご家族との話し合いの時間を大切にして、そこから活動内容を決めていきましょう。
半日から1日など、時間は地域の実情に応じて実施できます。
大切なことは、話し合い(思いの共有)→活動→話し合い(思いの共有)の時間が設けられていることです。これによって、自然な学びや気づきが得られます。
手引書 P13参照
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Q6場所や頻度は?
月1回~2回を目安に行われます。(地域支援事業実施要項)
場所は、地域の公共スペースや協力団体の施設など。話し合いが行えて、簡単な活動が行えるスペースを探してみましょう。
外出や屋外の活動などもおすすめです。
手引書 P12, 14 参照
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Q7評価方法は?
プログラムはその品質を保つために定期的に評価が必要です。
プログラムの評価には「運営者用評価表」を活用してください。
家族からの評価には「家族用評価表」を活用してください。これらはモデル事業を実施するなかで開発され信頼性についても精度を高めたものです。
認知症の人への評価については、様子や変化などを記録し定性的な評価を継続的に行いましょう。モデル事業の結果からは行動の変化などが明らかになりました(NPI-Q:報告書参照)。
地域支援事業ではDBD13の利用が記載されています(地域支援事業実施要項参照)手引書 P22-23 参照
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Q9周知するために
一体的支援プログラムは新しい事業です。そして、多くの方の理解と協力が必要です。理解していただくためにペライチの資料を作成しました。ご自由にダウンロードしご活用ください。
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Q10認知症カフェとは何が違う?
一体的支援プログラムは家族(親族)を一つの単位として、その関係調整を目指しています。認知症カフェには、地域の住民の方も加わり、地域を変えていこうとするものです。また、本人ミーティングや家族同士の集まりは、同じ経験をする方同士の集まりでピアサポートです。
手引書 P6 参照
運営の手引き
プログラムをこれから始めようとする方、運営で悩んでいる方、プログラムについて参加者に説明をする際にも活用できます。イラストと写真がたくさんあるのでコピーして自由に使用してください。