認知症介護指導者の紹介/仙台センター
佐々木 才子 (仙台センター第2期生)
新しい施設が、地域に根付くまで・・・
特別養護老人ホーム 石内慈光園
地域の特徴
特別養護老人ホーム石内慈光園は、平成11年7月 広島市の西北部に位置する佐伯区五日市石内に開設されました。佐伯区は広島市に8つある区の中では高 齢化率13.1%と2番目に高齢化率の低い町ですが、その中にあって石内地区は古くからある町で、高齢化率も高く、まだまだ地元意識の根強い町です。その 為、施設開設に当たっては地域の理解を 得るのに時間がかかりましたが、地域に根付いた開かれた施設を目指し、1年、2年と時を重ねるごとに理解は深まり、地域の方の高齢福祉に対する関心も高 まっています。
また、石内地区周辺は団地の開発が盛んで、現在も新しい団地が次々に開発され、人口の増加が進んでいます。それに伴い、呼び寄せ高齢者が増加、施設入所の待機者の増加、ショート利用の ベットが確保出来ない現状にあり、施設の増加も急ピッチで進んでいます。
施設が取り組んでいる地域ケアについて
サービス内容については、特別養護老人ホーム(54床)・ショートステイ(16床)・デーサービス(一般型45名・認知症型10名)・在宅支援センター・居宅支援事業所、それに加え、この4月より訪問介護事業所を立ち上げました。
また、毎年開園記念日には、特養入所者のご家族や地域の方を招待しての模擬店の開催。反対に施設入所者の地域 公民館活動への参加や小学校、中学校との交流。地域女性会等の訪問やボランティア。施設設備を利用して認知症予防教室や家族介護者教室等、積極的に取り組
んでいます。
今後の課題と展望
私は、特養の主任ケアワーカーとして務めています。仙台での認知症介護指導者養成研修(2期)の職場研修の課題として、「職員の意識改革と理念 の共有」を掲げ、それは自然にユニットケアのスタートとなりました。平成13年11月にスタートしたユニットケアは、単なる小集団ケアから利用者一人一人 に寄り添うケアと、徐々にではありますが職員 一人一人の意識を改革し、ケアプランの見直しへとつながりました。と同時に、当園の理念である「老後に生きがいを」は、職員一人一人の頭から心へと浸透し
つつあります。
私の15年度の課題は、この職員一人一人の熱意を冷ますことなく、
1)職員のスキルアップ・・・勉強会の開催。
2)ケアプランの充実・・・カンファレンスへの家族の参加の推進。
3)ショート ステイのケアの質の向上・・・利用者・家族の思いの汲み上げ(連絡ノートの作成)
以上の3つを掲げています。
そうした、ケアの質の向上への積み重ねが、地域の方からの信頼を生み、地域に根付き開かれた施設へとつながるのではと思っています。