認知症介護指導者の紹介/東京センター
井上 洋子 (東京センター第4期生)
斜面地区に住んでいるお年寄りの現状と地域ケア
グループホームサンハイツ青山
地域の特徴
長崎市の特徴は斜面地区で暮らしが営まれていると言うことと、被爆された方々が多い旧市街地区で高齢化進んでいるという2点が挙げられる。
サンハイツのエリアは高齢化率18.4%であるが、町別にみると23~24%台となっている(長崎市の高齢化率20.3%)。又斜面にへばりつ くように家々が立ち並び、高齢者の外出を阻んでいる。そのために長崎市には独自の「移送支援サービス」がある。高齢者が介護サービスを利用するとき又病院 に通う時などにお手伝いをする「移送支援サービス(いこ~で)」が実施されているが、これは介護保険対象者のみではなく、障害者・難病患者の方も利用でき
る場合がある。またこれは主に、タクシー運転手がヘルパー2級の資格をとりタクシー会社が実施している。
施設が取り組んでいる地域ケアについて
社会福祉法人の理念の一つである「地域福祉の充実に貢献する」を具現するため、在宅でぎりぎりまで生活をしていけるように援助できる在宅ケア サービスの充実に力をいれている。現在在宅介護支援センター(在宅支)2カ所、居宅介護支援事業所3ヶ所、ヘルパーステーション2ヶ所、デイサービス3ヶ 所、グループホーム(GH)3ユニット1ヶ所、GH1ユニット1ヶ所、特別養護老人ホーム90人定員、ショートステイ24人定員、ケアハウス19名定員、
配食サービスを2ヶ所で1日140食を月曜日から土曜日まで行っている。
特色として、地域の商店街の中心にヘルパーステーション、在宅支、デイサービスをおいている。GHは地域の商店街の夏祭りに参加したり、特養は 秋に地域住民を巻き込んで、各ボランテイア団体も参加しての自由市場を開いている。在宅支も認知症ケアの勉強会や介護者教室など積極的に地域の方々の啓蒙 につとめている。ヘルパー人員242名派遣所帯数575件、ヘルパーおよび居宅とともに地域の中のユニット制をとり、即対応できるようなシステム作りを
行っている。
今後の課題と展望
私は15年2月からグループホームで働いている。毎日多動の方の徘徊があり、職員はせっせと付き添って歩いているが、ハード面でキャッチするの でなく、ソフト面でいかに早い動きをキャッチするか・・しかしその難しさは日毎身にしみて感じている。GHの玄関を掃除しているとよく高齢者の方々が、通 りを歩きながら声をかけられる。年をとることで誰でも感じる「不安」と向き合って暮らしている方は大勢いらっしゃるだろう。
先日、自治会の会長さんのお宅を訪問した際にいろいろなお話を伺ったが、直接の対話がいかに必要かということを感じ取った。まずはご近所つきあ いを・・ここから始めて行く。小さく大きく必要とされるサービスを即対応していける多機能と柔軟な考え方をしていくことが今後の課題と考える。また、在宅 支の地道な訪問も欠かせないと考えている。具体的には、一般デイとは別に認知症の方々とのデイサービス、必要に応じてお泊りができる宅老所、日曜日のホー ル開放、ふれあい自由市場等を予定している。