認知症介護指導者の紹介/東京センター
小林 雅子 (東京センター第3期生)
介護保険サービスでは、出来ない地域ケアの取り組みとの世代間交流
総合ケアセンター泰生の里「別府」
地域の特徴
総合ケアセンター泰生の里がある別府市は、人口約12万人、高齢化率23・6%と高く、独居老人も多くいます。施設は、平成8年6月に開設されました。 開設に際して、「老いても、心身に障害を持っても、安心して暮らせる街づくりの核となる」を目指しており、色々な取り組みを致しております。
施設周辺は、温泉地帯で、緑豊かな高台に位置し、晴れた日は、四国を望む事が出来ます。地域との交流に際して、各種行事(文化祭、夏祭り等)、又、ボランティア等の登録、認知症の人の理解を深めて頂く為の啓蒙活動を行ってきています。
地域として施設が取り組んでいる事業
施設の、在宅支援サービスとしては、デイサービス(一般型定員25名・認知症型10名)ショートステイ(定員18名)訪間入浴、訪間介護、居宅 介護支援事業所があり、介護保険以外では、配食サービス(365日、1日2食)在宅介護支援センターがあります。地域ケアの取り組みとして、月1回の施設 での、介護者教室、地域へ出かけての認知症予防教室、認知症介護に携わる福祉関係者、行政職員等を対象にした認知症ケア研究会、ボランティアの啓蒙として
の講演会、施設での、研修生、実習生の受け入れも行っています。地域に出かけたり、施設に来て頂く事で、認知症介護の関心が深まってきている様に感じま す。又、介護保険でのサービスは限りがあり、介護保険では出来ないサービスを今後は、地域の人々に協力して頂いて「一人、一芸」を登録頂けるように定期的 に地域に出かけ広報を行っており、地域の方達も、福祉サービスに理解を示してくれる様になってきています。例えば映画を観にいきたい等のニーズに対し、ボ ランティアでサポート出来るような地域づくりに取り組んでいます。その為、月1回講師を招き「街づくりセミナー」を地域に出かけ開催しております。
地域ケアに関する今後の課題と展望
私は、居宅介護支援事業所のケアマネジャーとして業務に携わっています。当施設は、認知症専門の特別養護老人ホームの為、在宅での利用者も認知 症の方が多く、家族の介護アドバイス等も含め、近隣の理解の重要性を感じています。又、サービス利用に対しても、認知症の理解が出来ていない施設も多く、 サービス利用の選択が困難な場合もあります。私自身、認知症介護実務者研修で指導者として、参加させて頂いていますが、認知症ケアがまだまだ、理解できて
いない方達も多く今後の課題となっています。
地域の働きかけも、これからは、より積極的に広報活動、啓蒙活動をし、地域に根づいた施設及び居宅介護支援事業所でありたいと思っています。