若年性認知症について
高齢者の認知症との違い
若年性認知症は、高齢者の認知症と医学的にはほぼ同じですが、いくつかの特徴があります。1)発症年齢が若い、2)異常に気づくが受診が遅れる、3)初発症状が認知症特有のものでなく、診断しにくい、4)就労中に発症することが多く、経済的な問題が大きい、5)主介護者が配偶者に集中しやすい、6)親の介護と重なる(複数介護)、7)子供の進学・就職・結婚等に影響しやすい、8)車の運転が中断される などの問題が顕在化しやすい特徴があります。
医学的な観点
特徴の第一は発症年齢が若いことで、まさに働き盛りに発症することになります。仕事に関することをはじめ、社会生活のさまざまな場面で課題が生じます。もの忘れにより仕事でミスしたり、家事が下手になると、本人や家族は「いつもの自分とは違う」、「どうも調子がおかしい」ことには気がつきますが、これらの症状の原因が認知症であるとは思いつかず、受診が遅れる場合があります。また、認知症特有の症状がみられない場合には、認知症とは関係の少ない診療科を受診して、診断が遅れる可能性もあります。
家庭的な観点
働き盛りで病気になり、休職や退職を余儀なくされることも多い若年性認知症は、すでに退職した後の年代で発症する高齢者の場合とは違い、経済的な問題が大きくなります。また、主介護者が配偶者に集中していると言われています。さらに、本人や配偶者の親世代の介護が重なると、時に重複介護となることもあります。配偶者の介護と親の介護が重なり、その上、家事や育児もこなさなければならない状況になってしまい、配偶者も介護のために仕事を減らしたり、場合によっては退職を余儀なくされるため、ますます経済的に困難な状況が深まり、介護の疲れ、病気や将来への不安など、本人も介護者も大きな負担を強いられることになります。
認知症介護研究・研修大府センター
「若年性認知症ってなんだろう」改定5版
「若年性認知症ハンドブック」改訂4版
「若年性認知症支援ガイドブック」改訂4版
本人家族向けの若年性認知症啓発リーフレット
企業・職場向け若年性認知症啓発リーフレット