もの忘れ外来って何?
どんな診察が受けられるの?
更新が遅れて申し訳ありませんでした。今回は、物忘れ外来ではどんなことをしているかをお話しましょう。 とは言っても、全国に相当な数の「物忘れ外来」「メモリークリニック」などがあり、さらに最近10年で急速に増えていますので、正確な数は把握できていません。 また、その内容(予約制かどうか、検査内容など)もそれぞれの施設ごとに 異なっています。そこで、このコーナーでは、おおまかに最大公約数的な内容をご紹介したいと思います。
まず、ほとんどが予約制をとっていますので、事前に電話でご相談することをお勧めします。 ただし、医療機関であれば、至急の 対応もしていただけると思います。至急とは、急な精神的な不調や身体的な不調と思ってください。
さあ、事前の予約も済み、予約の日時に外来に行ったとしましょう。 当日、外来に行ってからでも、最初から医師の診察がある場合や、 まずソーシャルワーカーや心理士などが、事前に詳しく経緯を尋ねる場合などさまざまです。 外来内容も、医学的な診断に限ってのサービスから、介護保険制度の利用の仕方、場合によっては地域福祉権利擁護事業や成年後見制度の利用の仕方などの相談にものっていただけるところもあります。そもそも、外来機能だけで入院は行っていないところもありますので、入院の相談をしたい場合は事前にその旨伝えたほうがよいでしょう。 また、介護保険制度を利用するに当たって必要な 「主治医の意見書」をどこで書いてもらったらよいかわからない場合はこの外来で相談することもよいでしょう。
さて、ご本人お一人だけで行く場合はともかく、ご家族がついていくとすると、仕事を休んだりして行くでしょうから、どれだけ時間がかかるかが気になると思います。 これは、行っている内容によって、一日で済むようにしているところから、最低でも数回受診する必要があるところまであります。
これを見て、車検の日数のように早く済むほうがよいと思わないでください。 要するに内容がたくさんあれば時間がかかるのです。
内容は例えば、レントゲン検査(胸部、頭部CTなど)、血液検査(肝機能など一般検査に加えてホルモン検査など)、脳波検査、神経心理学的検査、さらに脳血流を調べるようなものまで多岐にわたります。
紙面の関係上、一つ一つの検査の詳細はここではお話しませんが、要するに、何をどの程度調べてほしいかというお気持ちとどの程度日数を費やすことができるかなどの事情を考えていただいて判断してください。どのような検査が受けられるか聞きたい場合は予約の際に尋ねればよいでしょう。ただし、検査の詳細は受診時に医師に直接尋ねたほうがよいでしょう。
長くなりましたので、通常行われている検査がなぜ必要かなどについては次回お話したいと思います。
まつかげシニアホスピタル
認知症介護研究・研修大府センター
客員研究員 水野 裕