【運営】:認知症介護研究・研修センター(東京、大府、仙台)
  我が国の認知症介護に関する研究・研修の中核的機関として
  平成12年度に厚生労働省により設置されました

研修情報

認知症の人のためのケアマネジメント センター方式 関連

センター方式の活かし方
:「今とこれから」のために、それぞれの立場で活かそう

センター方式はケアマネジメントのプロセスだけでなく、様々な立場の人に活用されています。以下を参考にしながら、日々の中で活かせる使い方を考え、一人からでも実際に使ってみましょう。

介護支援専門員(ケアマネジャー)

・ 新しい利用者について、系統的に情報を集め、本人視点にたった支援を展開していくために使われています。
・すでに関わってきた利用者についてわかっていること(すでに持っている情報)の集約や補強として。
・ 本人や家族、ケア関係者がもっている、より具体的な情報や気づきを集めるための道具として。
・ 担当者会議でシートを使い、関係者の情報や気づきを効率的に集約し、本人視点で話しあう道具として。
・ ケアプランの作成や見直しを、本人の視点にたって個別具体的に展開するために。

ケア担当者(事業所スタッフ)

・一人ひとりの人と向き合う集中力や観察力、本人視点の考え方を磨くために。
・ふだんの支援のあり方を見直し、本人視点にたって事業所の支援計画・支援の質を高める。
・利用者についての職員間の見方や関わりがバラバラな点、ずれている点を具体的にみつけ、統一した支援をしていくために。
・利用者のことを個別具体的に知り、一人ひとりとのコミュニケーションや関わりがもっと楽に楽しくなるために
・関わりで困っている人について、本人のありのままを見つめなおし、本人についての理解や支援のあり方の見直し・改善をするために。
・ 現場ならではの情報をシートにメモして、家族や介護支援専門員、医師等に伝えるために。
・数字等では表れにくい、関わりを通じた本人の変化や成果を、見える化するために。
・事業所の職員(新人、現任)が、認知症ケアを系統的に学ぶために。

地域包括支援センター

・ 家族や介護支援専門員等からの相談時や事例検討会の際に、事実や経過情報を系統的に集約し、本人本位の視点で助言をしていくために。
・地域ケア会議で、事例から個別課題と地域課題を効率的に見出していくために。
・自地域の多職種が、本人本位の視点を具体的に理解し、支援と連携を共通の視点で実践できる人材やチームを育てるために(センター方式を活かした人材・チーム育成研修、多職種研修の開催を)。
・ 地域住民にも本人本位の視点や、地域全体で認知症の人を支えていくための共通の考え方を 具体的に知ってもらうために。

医師(専門医、かかりつけ医、歯科医等)、医療関係者

・ケアマネジャーや介護職員に、本人が受診する際には日頃の様子を記入したシート(センター方式シート(特に、D-4 24時間記生活変化シート)を持参するよう依頼し、限られた診療時間内での事実確認や本人・家族とのやりとりをスムーズにし、診断や服薬調整、主治医意見書作成を効率的に行うために。
・薬の種類や量を変える際に、ケアマネジャーや介護職員にシートの記入を依頼し、シートで具体的な日常の様子をモニタリングしながら服薬調整を行う。
・認知症や身体状態が不安定な時や終末期などに、本人の詳細な事実情報を、ケア職員が記載したシートD-4やD-3 生活リズム・パターンシート)で把握し、見極めや治療、ケア職員への指示だしに活用。
・シートのコピーをカルテに貼って経過記録として活用。
・手術や入院、退院・転院、入所等の重大な決定を本人の暮らしや意向を踏まえて行うために、ケアマネジャーや介護職員が普段記入していた情報の記載を活用。

(市民)後見人

・ 本人がどういう人でどんな生活を送ってきたのかを理解し、本人とのコミュニケーションや関係づくりに。
・ 後見で不可欠の本人本位の視点や本人の意向を具体的に把握するために。
・ ケア関係者と効率的に情報をやりとりし、本人について具体的に相談しあうために。

家族

・ 家族だからこそ知っている本人の今とこれまでのこと、家族の思い、困っていること、周囲 に知ってほしいこと、家族なりの努力や工夫などを、ケア関係者に具体的に伝えるために。
・施設等を利用する際に、それまでの経過や本人の暮らし、意向を整理して伝えるために。
・ 記入が難しくても、介護支援専門員やケアの職員に、シートの項目をもとに具体的に話すために。
・ 受診時や介護保険の認定調査時、ケアマネジャーの訪問時等に、本人の前ではいいにくい(本人を傷つける)こ ことをシートに書いて渡す。

本人

・ もの忘れが気になる、ささいなミスやトラブルが増えて疲れる、など家族や周囲にわかってもらいにくいことを具体的に書いてみてもらう。
・面と向かって言いにくい要望や希望を、書いて渡す。
・ まだ書けるうちに、自分のこれまでのことや自分なりの暮らし方、やってほしくないこと、これからについての希望、大切な人へのメッセージなどをシートに書いておく。

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