【運営】:認知症介護研究・研修センター(東京、大府、仙台)
  我が国の認知症介護に関する研究・研修の中核的機関として
  平成12年度に厚生労働省により設置されました

研修情報

認知症介護指導者の紹介/大府センター

廣瀬 智子 (大府センター第6期生)
若者もお年よりも、障害をもつ人も持たない人も共に生きる

ふれあい共生会特別養護老人ホーム花嵐

地域の特徴

 ふれあい共生会がある矢田地域は、川を越えたとたんにローカルになると言われる大和川の北側にあります。都市化が始まったのは1955年に大阪市に編入 されてからのこと。今も市内に比べると自然がたくさん残っていて、近所づきあいもある開放的・庶民的な街です。急速に都市化したことも関係して低所得層が 多く、生活上・家庭上の困難を抱えている人が多いという特徴があります。
 また、矢田地域は被差別部落を抱えていることもあって、矢田の四つの連合町会は30年近く人権推進の取り組みを、保育園・小・中・高の子ども会 連合会は、"矢田はひとつ"のスローガンを掲げて差別のない街づくりを進めてきました。これらの実績の上にたって、10年前に矢田の四連合町会など地域 住民の要求が実って開設されたのがふれあい共生会"特別養護老人ホーム花嵐"です。

施設が取り組んでいる地域ケアについて
 "特別養護老人ホーム花嵐"は今年で開設10年目を迎えました。"花嵐"のお年よりが地域の老人クラブや学校に出かけたり、地域のお年寄りやデ イサービスの利用者がボランティアの運営するふれあい喫茶や居酒屋を訪れるなど、障壁(バリア)を取り除く試みが一つずつ実現しつつあります。
 在宅サービス部門では2003年4月に、知的障害者・身体障害者のデイサービスセンター、精神障害者の地域生活支援センターを設置、配食サービ スの内容も範囲も拡大して、障害の種別を問わず誰でもが住み慣れた地域で生活できるように、きめ細かな取り組みを進めてきました。第一の柱にしていること は 各人の権利擁護です。すべての人々の社会生活・活動への参加と、持てる力・可能性を発揮した生活を応援するために、地域の協力関係を創ることを重視してい ます。

今後の課題と展望
 若者もお年よりも障害を持つ人も持たない人も、誰もが差別されたり排除されることがない、住みやすい街づくりに取り組むなかで、矢田地域も再び 活気を取り戻すことができるでしょう。そのために職員ひとり一人が地域の住民と同じ視点を持ち、当事者意識をもって、自立して生きるとは どういうことかをしっかり考え自分のものにすることが必要です。これからの新しい社会作りのために、制度の見直しを含めて現場の課題をしっかり見据えつ つ、住民をエンパワメントしていく取り組みが大切だと思っています。

認知症介護指導者/大府センター一覧へ戻る