【運営】:認知症介護研究・研修センター(東京、大府、仙台)
  我が国の認知症介護に関する研究・研修の中核的機関として
  平成12年度に厚生労働省により設置されました

研修情報

認知症介護指導者の紹介/大府センター

税所 幸子 (大府センター第12期生)
いつまでも安心して暮らせるための町づくり

社会福祉法人 きらくえん

地域の特徴

 兵庫県芦屋市は、県の西部に位置し、南北に細長く、神戸らしい山と海の景色を楽しめる人口94,000人の小さな市(面積19k㎡)です。高齢化率は 21%。12年前の阪神淡路大震災で被災し、町並みやお年寄りの暮らしは一変しました。しかし、住み慣れた地域に住み続けたいという願いから復興し、「地 域ケア会議」を中心としたネットワーク形成が行われています。小学校区における、自治会や老人会などの既存のネットワークを活用し、区域内で社会福祉等活 動を展開する、民生・児童委員、福祉推進委員、保健センター福祉事務所等の機関とともに、高齢者生活支援センターが「小ブロック連絡会」を開催し、地域課 題の抽出、それら共通課題に関して中学校区で形成される「ミニ地域会議」、市内全体で共通課題とされる案件については「地域ケア会議」へ発信するという 『地域発信型ネットワーク(地域ケア体制)』を展開しています。

施設が取り組んでいる地域ケアについて  私が所属する社会福祉法人「きらくえん」は、今年で設立25周年を迎えます。急速に進む高齢化のもと、施策も変化し続けていますが、当法人理念 「ノーマライゼイション=どんなに重い障害があっても地域の中で一人の生活者としての暮らしを築く」と、運営方針の入居者・利用者・職員の「人権を守 る」、地域に根ざす「民主的運営」を一貫して具体化してきました。25人から始まった職員も、現在は600人になり、県内(尼崎市・朝来市・芦屋市)にお いて、特別養護老人ホーム・ショートステイ・デイサービス・訪問看護・訪問介護・グループホーム・居宅介護支援事業所・特定入居者生活介護・小規模多機能 型居宅介護・生活支援型グループハウス・地域交流スペース・喫茶・ギャラリーなど、各地域のニーズに応える事業展開を行っています。また芦屋市の委託事業 として、地域包括支援センター・シルバーハウジング生活援助員(LSA)24時間派遣事業・配食サービスも行っています。

今後の課題と展望  私は現在、居宅介護支援事業所のケアマネージャーとして、日々認知症の方とそのご家族の支援に関わらせてもらっています。認知症の方が、住み慣 れた町に住み続けるために、地域住民と一緒に考えることからはじめ、自治会・管理組合・老人会・民生児童委員・福祉推進委員・関係機関(芦屋市高年福祉 課・保健センター・地域福祉課・生活保護課・保健所・社会福祉協議会)・医師会・歯科医師会・薬剤師会も参加する会議では、「この町に住んでよかった!」 と思える魅力的な町づくりを目指しています。具体的には、認知症であることをオープンにできる地域に。認知症の早期発見・早期対応。さらには介護予防の町 づくりに取り組み始めています。地域包括支援センターを中心に、線の関わりから、面の関わり(ネットワーク)へ。また、認知症サポーター養成講座や職員の 認知症ケアへの理解を深めるための研修や事例検討会を行うことで、私自身も学びながら、芦屋市全体の地域ケアシステムの構築に取り組んでいきたいと思って います。

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