【運営】:認知症介護研究・研修センター(東京、大府、仙台)
  我が国の認知症介護に関する研究・研修の中核的機関として
  平成12年度に厚生労働省により設置されました

研修情報

認知症介護指導者の紹介/大府センター

山辺 豊子 (大府センター第7期生)
大規模施設としての地域ケアへの役割

社会福祉法人皆楽園

地域の特徴

私たちの施設の母体となる社会福祉法人皆楽園のある岩出町は、和歌山市に隣接し、人口5万人を超え、市制施行が間近かなベッドタウンです。そして、和歌山県で関西国際空港に一番近い町であり、和歌山県の新しい玄関都市としての役割を持つ町でもあります。
 私たちの町では、「住民がいつまでも元気に安心して暮らせる町づくり」を目指しています。高齢者福祉では、介護保険導入後、住民のニーズの多様 化に伴い、施設整備やマンパワーの育成、民間活力を取り入れたりなどして、介護サービスの充実に向けた基盤づくりに努めています。また、「シルバー人材セ ンター」を設置し、高齢者の生きがい対策に努めています。

施設が取り組んでいる地域ケアについて
 私の勤務する法人は、特別養護老人ホーム2施設、ディサービスセンター6施設、居宅介護支援事業所6施設、ヘルパーステーション2施設、訪問看 護ステーション1施設、グループホーム2施設を運営しており、今年中には、もう1ヶ所ディサービスセンターがオープンし、また障害者施設、グループホーム 2ユニット、民家新築型宅老所もオープンの予定です。
 このように、地域ニーズに沿った、様々な介護サービスを提供しています。そして、地域交流として毎年夏祭りを開催しています。また、アニマルボランティア、地元学生のサマーボランティア、岩出甚句、地元保育園児などの慰問にも来てもらっています。

今後の課題と展望
 私は、当法人のグループホームに勤務していますが、日々、認知症高齢者へのケアの難しさを実感しています。そのために、地域でかなりのシェアを 占めている法人としては、職員の質向上のために、今以上の認知症ケアの研修への参加、自施設での学習会の開催などが必要と考えられます。  また、家族の 人もなかなか認知症というものを理解できていません。家族の心理の中に、身内の認知症を認めたくないというのがあるのも、その原因かと思われます。
 しかし、その現実と向かい合って頂くためにも、まず家族への働きかけが必要に思います。そして、一番課題なのが地域の理解です。そのためにも、 これまでの既成概念にとらわれない施設ケアのあり方を模索し、地域への施設機能の分散化が必要に思います。そうすれば、将来、認知症高齢者は住み慣れた環 境で、安心して自分の暮らしを続けることが出来るのではと考えます。

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